絶望日記
私は今、自分自身にかつてないほど絶望している。
始まりは非常に順調だった。
真っ白な紙の上に無限に広がる可能性を見出だすことができた。誰よりも自由で、斬新で、刺激的で、幻想的なストーリーを紡ぐ自信があった。だが、それこそ幼稚で浅はかで傲慢な夢物語だと気づかされてしまったのだ。
今では澱んで濁りきった脳内をひたすらかき混ぜ、ごく稀に浮かんでくるアイディアの欠片に卑しく惨めにしがみつくことしかできない。ほんの僅かに鈍く輝いて見えた希望も、数秒後にはメッキが剥がれ、ただのガラクタに過ぎないと悟ることになると知っているのに。
私は擦り切れるほど使い古されたテンプレを、無知と盲目ゆえに気付かぬまま何度もなぞってきただけだった。凡庸なジェネリックになることを毛嫌いしているくせに、孤独なパイオニアになる勇気も才能も持ち合わせていない。両手で口を塞がなければ、つつがなく過ごす友人への僻みや妬みが際限なく漏れ出してしまいそうだ。
地道な積み重ねを続ける根性や気力すらない私に、一体何が残されているのだろう。指の隙間からこぼれ落ちていく時間を、為す術もなく怠惰にただ眺めている。
今、辛うじて綴ることができるのは空虚で救いようのない愚痴だけだ。
もう、限界なのかもしれない。
(以降、8月31日まで空白)
先生より
その日にあったこと、感じたことを素直にそのまま書き留めるのが日記です。1ヶ月分の出来事を創作しなければいけなくなったのは夏休み終盤まで宿題を放置していたからでしょう。雑に「何もありませんでした」の一文で全て埋めるよりは良いですが、来年はきちんと反省して毎日コツコツ忘れずに書くようにしてください。一番最後の日の文章には、どうしようもない絶望感がよく表れていましたね。
P.S.
自分の限界を決めつけることも諦めることもあなたの自由ですが、個人的には些か早計に感じます。宿題の隠蔽工作は推奨しませんが、今回のトラウマとスランプを乗り越えて、もしまた物語を書きたくなったら、いつでも一人の読者としてお待ちしています。