第4話(上) 心・(凛視点)
すみません、ヘタな文章力のため二部に分けてしまいました。
「とりあえずお互い小道場でウォームアップして、11時に第一の方で。それじゃまた。」
瑠璃はそう言い、第三の方に向かった。
ウチの道場は家のすぐ裏の方にあり、主道場の第一道場と二つの小道場(第二、第三)がある。第一は36m×18m。2つの小道場は15m×15mほどある。大きさのイメージ的には第一が柔道の試合場が縦2つ並んだものよりすこしだけ広く、小道場は一つほど。もっとも今回妹とは柔道で勝負するわけではないから、第一道場内のスペース全部が試合場となる。道場の配置は正面入口から見て真ん中に第一道場があり、左が第二で、右が第三となる。私達が入ってきた裏口から見ると、右が第二で、左が第三となる。妹は昔から第三でウォームアップして、私はいつも第二でやっている。
「さてと.....着替えますか。」
昨日から道場生達が一週間の強化合宿に出掛けるから、道場には誰もいない。基本師範であるウチの祖父もしくは師範代がいない時に道場を借りるのは不可になっていて、師範と師範代は今回皆が合宿に付いて行ったためこの一週間うちら家族を除けば使う人はいない。
そういえば、今回の強化合宿には"あいつ"も参加するって祖父が言ってたな。
ふとTSしてからまだ高校の友人達には一回もあってないし、今の状況を説明もしていなかったと思い出す。
「しまったな.......」
2時間後に妹と勝負するというのに、ウォームアップ始める前にいやな事思い出してしまった。
それから1人でウォームアップを続けたが、驚くほに体を動かせないでいた。
「参ったな、これ.....」
ちょっと考えれば当たり前なことだ。男性から女性になり、骨格からなにもかも全部変わっているのだから。感覚は男の時とかなり違う。まず、ダミーに蹴りを出した時何回か空振りしてしまった。それが一回だけならまだしも、連続的に何回も続いた。突きも表面に軽くあたっただけの状況があった。正直言ってこのままだと確実に負けてしまう。魔法や魔術が使えれば身体の強化をしてなんとかなるかもしれないけど、今回妹との勝負においては一切の魔法や魔術の使用を禁じている。本当に参ったかもしれない。
「.......やれることをやろう。」
考える暇があったら、すこしでも身体をなれさせておこう。
それからあっと言う間に時間が流れていき、気がついたらあと5分で11時になる。最初よりはだいぶ慣れてきたものの正直まだ違和感を感じてしまう。日常生活においても最初の数日は階段を踏み外したり、机に届くと思って手元を見ずにコップを置いたら床に落ちたらしていた。今では既に問題なくこなせているが、格闘になるとやはり細かいところで粗が出てしまう。
「.................」
ぎりぎりまでやれることはやった。それでも、まだ違和感を感じるほど今の体には慣れていない。長期戦になれば私の勝ち目がなくなる。私も瑠璃も小さい頃から祖父と父より直接色んなものを習って来たんだ。それにお互いいつも勝負しあっていたから、私が慣れていないのがバレるのも時間の問題だろう。その間に勝負をつけよう。
作戦とも呼べない粗末なものを考えながら第一道場の方へとむかう。これはもはや作戦というより、追い込まれて仕方なく、取った策と言った方がいいだろう。しかも選択肢がいつくある中でとったものじゃなく、元から一個しかないのだ。
第二と第一の建物は10メートルも離れていなかったが、正直この10メートルが何百メートルに感じるくらい今のコンディションは良くない。これじゃ勝てるものも勝てなくなってしまう。
女の子になってからやけにマイナス思考をするようになってしまった。女になって、心が弱くなった?それとも.................
.........今考えても答えが出るものじゃないのに、どうしても考えてしまった。
そんなことを思いながら道場に一礼して、中に入った。
読んで頂きありがとうございました。
満足して頂いたら幸いです。
第4話(下)は明日投下します。