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第2話  妹


あれから色々考えたけど、この街で生活することにした。引っ越しはしたくないし、何より17年間一緒に居た友人たちと離れたくない。差別云々は心配してないと言えば嘘になるが、彼らなら絶対にしないと信じてる。



さらに数日がすぎたが、生活面でなにか変わった所は特になかった。ただ、下着やトイレとかが・・・・・・・・この話はよそう。


プルルルル

電話が来た。画面を見ればお母さんからの電話みたい。


「もしもし、お母さん。どうしたの?」


「あ、よっかた。えーとね、ジタバタして伝えるの忘れてたけど、今日瑠璃が帰ってくるの。

一時頃には家に着くって言っていたわ。あ、ごめんね、会議が始まっちゃうわ。よろしくね。」



・・・・・・・・



時計をみたら丁度午後の一時になっていた。


・・・・・・・・



もう一度時計を見てもやはり午後の一時。


・・・・・・・・





そういえば、妹はずっと同じ所で暮らすのが嫌だと言って県外の高校に通っていて、そこで一人暮らしをしている。性格は元気溌剌で正直言って私からすればとてもめんどくさいから県外の高校に行って、そこで一人暮らしをすると言ったときはすこしだけ心の中でガッツポーズを取ったものだ。しかし、めんどくさいからと言っても大切な家族だから、妹のことはもちろん好きだ。でも、ずっと一緒にいたら私の気力が持たないから、時々会うくらいが丁度いい。



その妹が帰って来る。彼女には既にお母さんから連絡が行っているとは思うけど....。どう接すればいいのかなー。それになんで両親がいない時に帰ってくるのさー。



「ただいまー!」



・・・・・話しながら考えよう。



「お帰り、瑠璃」

とりあえず玄関の方に向かって応える。

そしてペタペタとスリッパの音を立てながら妹がリビングに現れた。


「お帰り。」

と、もう一回言う


「うん、ただいま、おか・・・・・え?・・・・・誰?」



ん?・・・・・え?・・・・・まさか説明してないとか?



「凛だよ、凛。お兄さんだよ。」

そう言うと妹がさらに固まり、ぷるぷると震え出しこう言った。



「お兄さんの・・・・・彼女!?あのザ・男の娘って感じのお兄さんにこんな綺麗な彼女が!?」



男のコ?なんかニュアンスが違うような気がするけど、なんだろう?



「男のコがどういう意味なのかは知らないけど、私は凛の彼女とかじゃなく、凛本人だよ?性転換現象で男から女の子になってね。TS現象って言った方がわかりやすかな?ほら、顔のパーツとかがお母さんに似てるでしょう?」

そう言うと、妹がぷるぷると震えるのをやめ、動かなくなった。




━━━━━━━━━━━━━━━━



私の名前は雨月瑠璃。高校1年生です。

今日は久しぶり−−と言ってもまだ3ヶ月ほどしか立っていないけれど−−に実家に帰って来ました。同じ地域の学校ばかり通うのが嫌で、県外に通って、そこで一人暮らしをしている。

夏休みと冬休みの時だけ、ここに帰って来て家族と過ごす事にしている。


「3ヶ月か・・・・・・・・」


たった3ヶ月ではあるけれど、私からしたら始めて家から離れて暮らしているわけだからかなり懐かしい気がする。それと、私には一つ年上のお兄さんがいるけど、この兄がねとてもとても・・・・・






























かわいいのよ〜。

男だけど一人称が'私'で、趣味や好みも今どきのJKとなんら変わりがない。もう、お兄さんのせいで男の娘なんていうジャンルにめざめ・・・・・まぁ、それはいいけど。

高校うまくやって行けてるか、妹としてとても心配してるけど、いくら外見が女の子でも年頃の男だから、妹の私が一々電話なんてしていたら嫌になるだろうし、嫌われた元も子もない。


考え事をしてるうちに家についた。

本当にいつ見ても立派な一軒家だなと思ってしまう。いや、邸宅に片足突っ込んでるレベルかもしれない。




閑話休題




今日はパパとママが仕事で帰ってくるのは多分夜だから、今いるのはお兄さんだけかな?

考え事しながら門を抜け、玄関でしばらく使ってなかった鍵を使い家に入っていく。


「ただいまー!」



「お帰り、瑠璃」


あれ?お母さん?でも、声がなんか若々しいし、仕事じゃなかったの?

私が予定を勘違いしただけかな?


不審におもいながらもスリッパを履き、ペタペタと歩いて、リビングに向かう。



「お帰り」


「うん、ただいま、おか・・・・・え?・・・・・誰?」


ソファーにはお母さんに似てる女性が座っていたが、直感が私に彼女は絶対にお母さんではないと告げている。

第一に恰好がおかしいのだ。お母さんは家にいるときでも絶対にいい服を着て身嗜みを整えている。対してソファーに座ってる女性はジャージを着ているし、胸がお母さんより全然大きい。ていうか着てるジャージに見覚えが・・・・・

一体この人は誰?



「凛だよ、凛。兄だよ。」



え?この女性が凛?お兄さん?でも、お兄さんは男・・・・・ハッ!



「お兄さんの・・・・・彼女!?あのザ・男の娘って感じのお兄さんにこんな綺麗な彼女が!?」

まさか、あの凛兄がに彼女なんて・・・・・しかも似てるし、先祖が同じとかかな?そんなどうでもいいこと考えていたらお兄さんの彼女と思わしき人から爆弾発言が投下された。




「男のコがどういう意味なのかは知らないけど、私は凛の彼女とかじゃなく、凛本人だよ?性転換現象で男から女の子になってね。ほら、顔のパーツとかがお母さんに似てるでしょう?」




性転換現象?・・・・・え???

つまりお兄さんは外見女の子から本当の女の子に???

え?ちょっと待って、男の娘のお兄さんが女の子になったから、お兄ネエさんはお姉さんに・・・・・あれ?よくわかんなくなって来たし、頭がクラクラする。そう思ったのも束の間、次の瞬間私の意識はプツリと途絶えた。

読んで頂きありがとうございました。

満足して頂いたら幸いです。



次話は明日投下します。

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