57/510
【番外編】アマビエさん、ハマる
「豊作以外で表現するとどんな感じですか」
「口内で優しくほどけていく甘味と芳醇な香り」
「食レポ適性ありますね」
豊作連発は、単に面倒だったのだろうか。そんなことを考える僕を尻目に、アマビエさんはトリュフの箱を次々にあけていった。
「わー、すごい。完食」
全てのお菓子が空になった。やりとげた満足感で、自然に拍手が出る。
「アマビエさん、どうでした?」
アマビエさんは無言で、紙の中から諭吉を数人取りだした。
(回る気だ……デパ地下を回る気だ……)
奇妙な生物に対応する店員さんの苦労を思いながら、僕は胸の前で両手を合わせた。




