502/510
【番外編】アマビエさん、命じる
『希望したあげく、病院をたらい回しにされるケースもあるようですねえ』
『あえて言いますが、ふがいないと言わざるを得ません。その上、経済的補助も不十分で……』
「消せ」
「消せ」
会話はまだ続いている。しかし、普段は温厚な薬局長がアマビエさんと同じ口調で言い放った。
「はい」
センセイが画面を切り替え、ゲーム画面に戻った。薬局長がうなだれる。
「……ごめん」
しゅんと肩を落とす薬局長に向かって、僕と事務の子は声をかける。
「みんな、気持ちは分かってますから大丈夫ですよ」
「そうですよ。現場も知らずに勝手なことばっかり言って」




