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【番外編】アマビエさん、山のおしり
「お兄ちゃん、こういうところで仕事の出来がわかるんだよ」
「言うな妹よ」
ドン臭さをさらけ出してしまった僕たちは、せめてもの気遣いに机の上を片付け、肩を寄せながら座っていた。
「……問題意識があるなら、改善できるでしょう。動く気がないのもいますから」
クタベさんがアマビエさんをにらんだ。当の人外は、鼻歌を奏でながら、クッションにしっかり尻をめりこませている。
「動かざること山のごとし」
「いい感じに言わないでください」
アマビエさんにつっこんでいる間に、かぐわしいカレーの匂いが漂ってきた。僕らはその方向を見つめる。




