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【番外編】アマビエさん、時々鋭い
おだてる僕に対し、アマビエさんは生ぬるい視線を向けた。
「つかぬことを聞くが」
「なんでしょう」
「花とこの場所の存在を知っていながら、なぜこの妖精は何もせんのか?」
「ゲームの存在異議を揺さぶらないでいただきたい」
とぼけた顔と行動をしながら、アマビエさんはなかなか鋭いのである。
「彼女は……そう、見ているだけしかできないんですよ」
「なんと」
「そう、おいしいご馳走があっても見ているだけ」
「哀れな奴だ」
「だから言うことは聞いてあげましょうね」
「……うむ、それならば」
アマビエさんの同情心を買うことに成功した。




