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アマビエさん、指はあるの?
労働力が余っているのを見て、僕の頭にある考えがひらめく。
「無論である」
「はい、じゃあハサミ持って」
僕はあらかじめ取り分けておいた、裏紙の束を取り出した。
「これを、八分の一の大きさに切ってください。手をふいてから」
「任されよ」
アマビエさんは紙を折り、じょきじょきと器用にハサミを動かしていく。やや湿っていたものの、これくらいなら乾けば問題なく使えるだろう。
「ありがとうございます」
「これは何に使うのだ」
「メモ帳ですよ」
「……専用のものがあるだろうに」
【薬局あるある】地味なリサイクルが日々行われる。




