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【番外編】アマビエさん、集まる

 しかしそんな寂しさも、主役が来るとすぐにふき飛んだ。


「さ、肉を皿に載せて。かっこよく頼むよ」

「おおっ」


 アマビエさんではないが、思わず声が出た。薄切り肉だが、レースのような繊細な白い線が赤地の上に走っている。それを花びらのように敷きつめていくと、嫌でも気分が盛り上がる。


「和牛ですか?」

「うん。神戸牛だよ」

「我も、我も並べる」

「えー、あたしも見たい」


 結局全員が肉の周りに集まる。国産黒毛和牛の破壊力、恐るべし。


「もう焼くから、アマビエは触らないで。悪いけど、ホットプレートの電源入れてよ」

「了解です」



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