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【番外編】アマビエさん、やはり和風好き
てっきり実業家らしいタワーマンション住みかと思ったのに、見えているのは純和風の平屋だった。敷地面積が広いため、巨大なバス型車が止まっても「まあこんなもんか」で済ませられる。
「本当に、ここに住んでるんですか」
「数年前からね」
社長はそう言って、広い日本庭園を案内してくれた。個人の所有物なのに、以前見た温泉の庭園よりはるかに広い。
「ポーズ」
アマビエさんは枝ぶりのいい木の前にくると、写真を要求する。すっかり習慣になってしまったようだ。
「あ、季節の花とアマビエさんいいですね。次回作の参考にします」




