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【番外編】アマビエさん、タッチパネルに挑戦
「また機械か」
「薬局と同じですよ」
「店員が目の前にいるのに」
「忙しいんですよ。ほら、早くして」
ぶちぶち文句を言うアマビエを、男性は機械の前まで連れて行く。
「先にお金を入れてください……湿ってますから、硬貨で。手も拭きましょうね」
「うにゅ」
「次に、食べたいもののところを押す」
「この焼き飯というのは、美味いのか」
「美味しいですよ。僕はこれ目当てで来てます」
「なら、つけたい」
「肉は多めにします?」
「うむ」
「じゃここにタッチ。一回でいいですよ」
おじいちゃんと孫のようなやり取りだな、と店員は思った。




