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アマビエさん、唸る
「早く。アマビエさんより、たくさんポスター貼りますから」
「……確かに聞いたぞ」
アマビコさんは軟体ボディを生かして、二体に割って入った。
「うー……」
「ふふふ……」
猫のようにうなり合う両雄にお茶を配る。
「僕たちは大変無知で申し訳ないのですが、クタベさんも予言を行う妖怪なのですね?」
ソファに腰を下ろした二体に、薬局長が聞く。
「そうですよ。今の人間が『トヤマ』と呼ぶ地方を根城にしています」
僕は驚いた。結構な距離があるのに、どうして面接を受けに来たのだろう。
【薬局あるある】実際、遠方から受けに来る人はほとんどいません。




