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【番外編】アマビエさん、貴族の遊び
しかし次の瞬間、人外たちは鼻息荒く顔をそらした。やはり、一時的なものだったようだ。
「美味しい?」
「この泥のような個体が、何故こんなに美味いのか……わからん」
「ちょこれーとと同じ味かと思ったら、全く違う」
アマビエさんはじっくり噛みしめていたが、ふと何かに気付いたようだ。
「焼く」
肉をさっと炙る。
「のせる」
そしてほんのり赤みの残った肉を、カレーの上に落ち着ける。
「食す!」
カレー、白米、そして神戸牛。三位一体となった食材たちが、アマビエさんの口の中に消えていった。
「き、貴族の遊び……」
僕と妹は、同時に動揺した。




