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【番外編】アマビエさん、伸び縮み
「何をする」
「髪をまとめようとしただけですよ」
説明すると、つまらなさそうに鼻を鳴らされた。
「それなら最初にそう言え」
アマビエさんが頭をひと振りすると、髪の毛が縮んでボブカットになった。
「体の色と同じく、伸縮自在である」
悩んでいた自分が馬鹿らしくなってきた。
「向こうが湯か」
「そうですよ。走らないでね」
アマビエさんは浴場に足を踏み入れる。一気に押し寄せてきた湯気に、顔をしかめていた。
「ほら、いきなり入らずにかけ湯」
僕はアマビエさんに、湯船からくんだ湯をかけてみた。果たして、耐えられるのだろうか。




