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アマビエさん、見ほれる
「……生臭い」
「何か言ったか」
「ナンデモアリマセン」
僕が肩を落とす横で、薬局長は整腸剤の瓶を開けている。
「バラバラだ」
中身を見たアマビエさんが、歓声をあげた。
「数が出ないのは手でやるけど、多いのは最初からバラになったのを買うんですよ。で、こっちに入れる」
機械の上部に、カセッター(小分け容器)が並んでいる。
「手でまかなくても、上から勝手に落ちてくるんです」
「合理的」
「バラとヒートの在庫管理は必要ですけど」
【薬局あるある】便利なバラ錠だが、これを買ったばかりにヒートの在庫が不足することがある。ゆめゆめ注意。




