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【番外編】アマビエさん、カラフル
「我の鱗は特別製である」
生まれてこのかたずっと同じだ、とアマビエさんは言った。
「何かで傷ついたりしません?」
「その場合は新しいのが生えてくる」
便利な体である。
「たまに飽きたら、色を変えて楽しむ」
アマビエさんがそう言うと、ライトアップのように鱗の色が変わった。
「……そんな情報ありませんでしたけど」
「残っていたのは、墨絵しかなかったからな」
多色刷りの浮世絵もあったが、アマビエさんが捕まえたのは役人である。全てを表現しきれなかったとしても、仕方ないだろう。
「じゃあ、できればフルカラーで広まりたいですね」




