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【番外編】アマビエさん、着替え?
僕は一人だし、大して荷物もない。濃紺の部屋着に着替え、タオルだけ持ってロッカーを出た。
「早かったな」
アマビエさんは早く温泉に入りたいのか、足踏みをしている。
「まだかな」
「覗くな、趣味の悪い」
「女性は着替えに時間がかかるから」
そんな会話をして、僕はふとあることが気になった。
「アマビエさんもアマビコさんも、脱皮しないんですか」
「爬虫類扱いはやめろ」
露骨に嫌な顔をされた。
「俺は、常に外殻が入れ替わってる。人間の皮膚と同じだ」
皮膚も生まれ変わっているが、僕らにその感覚はない。アマビコさんもそんな感じだそうだ。




