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【番外編】アマビエさん、生える
「浮ついてるな」
アマビコさんは辛辣だ。
「楽しんでいるのだ。我は映える存在だからな」
「お前は映えるというより生えてる」
漢字の違いを、アマビコさんは器用に言い分けた。
「花言葉は『可憐』でお願いしたい」
あくまで折れないアマビエさんであった。
「アマビコさんも撮りましょうよ。松と一緒にどうですか?」
常緑樹なら落ち着いていて、アマビコさんの雰囲気に合うと提案してみた。
「……いいだろう」
アマビコさんの了承は遅かったが、ポージングはアマビエさんより凝っていた。「映え」も知っているし、案外流行もの好きなのではなかろうか。




