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アマビエさん、覗いてみる
「絡繰ですよ。江戸時代ならあったでしょ?」
「つるりとした表面が気にくわない」
無事、むずがるアマビエさんを機械の前に案内した。
「パソコンに処方内容を入れると、どこに何をまくかを機械が計算してくれる。あとは指示通りにやればいいんです」
機械には薬を入れるくぼみがついている。ここの底が開いて、裸の錠剤が落ちていくのだ。
「見てみます?」
「うむ」
ボタン一つで開閉する底を、アマビエさんは興味深そうに見ていた。
「正確に出るのか?」
「はい、勿論」
「ヤクザ、いらなくなるな」
「心をえぐらないで」
【薬局あるある】機械は賢い。




