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【番外編】アマビエさん、逃げられない
「やっぱり試練なんだ」
アマビエさんがこぼした悲鳴は、無視された。
「ここまで来たら覚悟決めましょう」
「くそお」
肩を落とした僕たちを、女性陣はエレベーターに押し込んだ。強い、全く敵わない。
受付で訪問者登録をした。住所と氏名を書くのだが、アマビエさんのが地味に気になる。
「アマビエさん、住所って……」
ものすごい勢いで、紙を隠された。しかし、なにやら書いていたのは確かだ。
「シューズとウェアはレンタルできるから、着替えてきてお兄ちゃん」
アマビエさんはどうするのだろうと思っていたら、当然のように女性陣についていった。




