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【番外編】アマビエさん、おののく
「広いね!」
十分スポーツができそうなホールに、狭い机が何百もひしめいている。その間を、ぎっしりと人が埋めていた。
「想像以上だなあ」
「それは、ほんの一部分。大規模イベントになると、こんな部屋がいくつもあります」
「ええ!?」
「そこを高速で移動し、並ばなければ神絵師や神手芸師のグッズは手に入りません」
「そ、そうなの……」
僕が思っていた以上に、厳しい世界だった。アマビエさんも、センセイの迫力に押されて棒立ちしている。
「だから、何よりも必要とされるのは体力。推しのためなら、試練だって越えますよ」




