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アマビエさん、同類を見る
アマビエさんには慣れっこになった患者さんたちが、本気で怯えている。まずい、僕がなんとかしなければ。
「あの……お名前は……」
「アマビコだ。呼んだだろう?」
「いえ、アマビエさんを」
気まずい沈黙が流れた。
「いや、聞き間違いはよくあることですから……気にしないで」
「貴様が」
「あの」
二体の人外は、静かに火花を散らす。
「俺のかわりに、ずいぶんご活躍じゃないか」
「力あるものが有名になるのは当たり前だろう」
「思い上がるなよ、書き間違えでのし上がったくせに」
「運があるというのは強いぞ」
【薬局あるある】患者にも相性がある。




