表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

270/366

終話:【ラナ視点】そこが大事よ

 うざいことに、うざいのに連れ去られちゃって。


 腹が立ったものだったけどさ。でも、これは案外良かったのかもねぇ。


「ら、ラナっ! 聞いたよね? あれ何っ!? ノーラがもう何かおかしかったよね!?」


 連れ去られたどこかの木の下で、サーリャはうっとうしい勢いでワタワタしていた。理由はまぁ、アレよね。ノーラがいきなり言葉にしたアレ。


 俺は好きですけどなんて。


 私はため息だった。絶対に伝える気は無いなんて言ってたクセにアイツはさ。口にしやがったのよねぇ。本当、腹立つ。言わないって言ってたのに。首を噛みちぎってやりたいぐらいに、本当のホントに腹が立つ。


 でも、それはそれ。


 言葉にしやがったのはもうどうしようも無いし。だから今気になるのは……コイツよね。


「ねぇ、ラナ。聞いてる? おかしいよね? 何かノーラにあったんだよね? 絶対そういうことだよね?」


 コイツは私にどんな反応をして欲しいのか。相変わらずわめいているけど、ちょうど良い機会よね。尋ねてしまう良い機会。


「そんなことよりさ、ちょっといい?」


 私にも話をさせろってことだけど、サーリャは激しく噛みついてきやがって。


「そ、そんなことっ!? い、いやいや、めちゃくちゃ大事でしょっ!!」


 思わず『ふん』だった。そんなこと、私にとってはどうでもいいっつーの。そんなの、もう知ってたことだし。


 私にとって大事なのはアンタよね、アンタ。いや、サーリャが大事ってわけじゃ当然ないんだけど。


「アンタはどう思ったのよ?」


 聞いてやった。


 サーリャはちっさい顔のおっきな目をまん丸にして。


「え? わ、私?」


「そうよ。アンタはどうなのよ? アイツにあんなこと言われてさ、アンタはどう思ったの? アイツについてどう思ったの?」


 これが大事だって、私はそう思ってんだけどさ。


 サーリャはろくな答えを返してこなかった。


「そ、そんなの、私は……私は……その……」


 動揺ばっかりって感じかしらね? そんなことをおろおろと繰り返すばっかりで。


 時間ばかりがただ流れていった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 珍しく短い [一言] あ、これラナも勢いで私はあいつのこと好きだけどあんたはどうなの?ってなる展開か…?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ