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白亜の病院

「いこっか、、、」



遊び疲れた子供のように

ユウは公園を出ていく。




思い出の公園を出ていく

ユウを慌てて追いかけるアキ。




ユウは人をさんざん連れまわしといて、、、




アキは思う。




公園に連れて来たかと思えば

人の問いには答えず



さんざん遊んだだけだった。




「おい!ちょっと待てよ!」



声をかけるアキ。




先を早足で歩くユウは

アキを振り返りもしない。




「あの公園は

いい思い出しかない。



私の一番好きな場所。




でも



次の場所は違う。




私はそこで一人ぼっちだった。




暗い部屋の隅っこで

いつも泣いていた。



話しかけても

答えてくれない



くまさんを抱いて



私はいつも途方に暮れていた」





突然ユウは立ち止まり

アキを振り返る。



笑顔を絶やさず

じっとユウを見つめるアキ。




「でもね。



お兄ちゃんが私の心の支えだったの。



お兄ちゃんが来てくれる日を

私は心待ちにしていた」





2人がたどり着いたのは

閑静な住宅地。




緑豊かな住宅地に

唐突に現れる巨大な白亜の建物。




その建物の屋上には

そんなに大きく書かなくてもいいだろうと思う程



巨大なその建物の名称が書かれた看板が設置されている。






病院だった。






「私はね



その病院の窓から

隣の高校の生徒が



楽しく青春してるのを



恨めしそうに見ていた

1人の女の子だったの」




そう言うユウの横顔を

黙って見つめるアキ。





2人は病院をしばらく見上げたまま

何もしゃべらず動かなかった。







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