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Plant planet ~最強の武器は植物でした~  作者: 花速 雪音
第三章 冒険者とツクシ
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第四十九話 子供と孤児院

「オークの討伐証明は耳だったけ」

「そうですね」


 ダンジョンには討伐証明いらなかったから危うく忘れるところだったよ。


 ラナの火魔法で遺骸を焼却した。

 オークがいなくなるとこの空間が急に広く感じられた。


「ん? あれはなんだ?」


 周りを見渡していると右端に大きな窪みがあった。

 そこを左に行くとまだ少し空間が続いてそうだった。


「言ってみますか」

「ああ」


 隠し部屋みたいな存在なのだろうか。

 暫く歩いていると天井が高くなり開けた場所があることがわかった。


「っ!? ロイさん、あれ!」


 ラナが驚いた先を見るとそこにはぐったりとした男の子が一人と女の子が二人倒れていた。

 その3人は緩く縄で締められていて、オークの仕業だということがわかる。


「大丈夫か!?」


 フェニルさんが駆けつけたのに遅れるようにしてついていった。


 一番辛そうにしていた男の子を軽く抱き上げると、熱を持っていることがわかる。


「かなり体温が高いな。ラナ、水を頼む」

「はい『ウォーター』」


 魔法で生成した水を持っていた衣類に浸し三人の額に当てた。

 顔の表情が少し和らいだのを見て安心する。


 数十分経ったところでひとりの男の子が目を覚ました。

 しっかりとしてきた体つきだがまだあどけなさが残る顔立ち。10歳くらいかな。


 男の子は開口一番疑問を投げかけた。


「お兄さんたち誰……?」


 か細い声で聞き逃してしまうところだったがなんとか聞き取れた。


「僕はロイナスって言うんだ。こっちは仲間たち。それで君たちがなんでここにいるか教えてくれる?」


 男の子は悩む素振りを見せたが、弱々しく言葉を紡いだ。


「僕はコードリアっていうところに住んでいた。でも捨てられた」

「捨てられた?」

「うん。なんか熱がでたからって」

「それはこの女の子たちも?」

「うん」


 3人は顔は似てないし、服もみすぼらしい。孤児院に捨てられた可能性が高いだろう。

 それにコードリアって次の俺たちの目的地だ。街の情報はあまり知らされてないが、治安が悪い街なのか?


 そうこう話してるうちに他の女の子も目を覚ました。片方は短く切りそろえられた黒い髪に蒼い目。そしてもう一人は茶色のセミロングに赤い目をしている。


「じゃあ名前と年齢を教えてくれるかな?」

「僕はアノス。13歳」

「私はイア。12歳だよ」

「……レア。12歳」


 男の子がアノスで、ショートヘアがイア。セミロングがレアか。

 予想通り歳は結構高いな。


「とりあえずこんなところもなんだし、外に出ようか」


 3人は黙ってついてきてくれた。


 戻ってる最中にくぅぅとお腹がなった。


「よし、じゃあ出たらご飯にしよう」



 外に出ると日陰に移動してラナにご飯を作ってもらう。

 まだ本調子じゃないのか子どもたちは元気じゃなさそうだが、ご飯と聞くと心なしか嬉しそうに見える。


 ラナは器用に土魔法で鍋を作り、火魔法で土を掘ったところに火を置く。

 簡易的なキッチンが出来上がっていた。


 そしてアイテムボックスからワイバーンの肉を取り出して、切っていった。


 そうだ、いいこと思いついた。


「ちょっと待ってラナ」

「なんですか?」


 解毒草を生やして肉の塊。特に子供たちが食べる方に植物付与をかけた。

 食物にもかけられるようになったのはこの間レベルアップしてからだ。


「よし、ありがとう」


 そしてすぐにワイバーンの肉が大量に入ったスープが完成した。

 他の野菜は勿論俺が植物魔法で作ったものである。


「さあどうぞ召し上がってください」


 ラナがそういうと子供たちは目を輝かせて一心不乱に食べ続けた。


「すげえ! 肉が入ってる」

「美味しいね!」

「……美味」


 とても好評なようだ。


「ラナちゃん! これうまいな! 具材はロイナスか。こんな美味いの道中で食えるとは思ってなかったぜ。ワイバーンの肉があるなら言ってくれよ!」


 フェニルさんからも好評なようだ。


 俺も食って見るがこんな短時間でもしっかりと味が染み込んでいる。

 さすが料理スキル持ちだな。


 食事を挟んだことで警戒心がある程度解けたのか、境遇を詳しく話してくれた。


 まずみんながコードリアの孤児院出身で、そこの管理人は病気になった子たちは捨てるらしい。

 いくらお金がなかったとしてもその対応は目に余るものがあるな。

 コードリアの領主は対応してくれないためこの状況はずっと続いてるらしい。


 実際の情勢は現地に行ってから確認して見るか。


「なあアノス、イア、レア。俺たちに付いていってコードリアに戻るか?」


 そう聞いたら三人は顔を見合わせる。

 そして代表としてアノスが発した。


「うん。でもコードリアに戻らずにロイナスと一緒に行きたい」

「わかった」


 信頼を得られたようだ。もしかしたら今後戦闘面でも活躍するかな。


 その後馬車まで戻って再出発する。

 馬車は大きく余裕があり、子供3人程度なら普通に入った。


 そして2日間の移動を経て、俺たちはコードリアの街へ到達したのだった。


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