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Plant planet ~最強の武器は植物でした~  作者: 花速 雪音
序章 学園とカンザクラ
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第ニ話 試行と素

本日2話目

 

「『種子複製イミテート』」


 手に魔力が集まっていく感覚があり、こぶしを開くとそこには一粒の種があった。

 使ってみた結果、どうやら自分でイメージのできる名前を知っている植物の種が作れるということらしい。今は足元に咲いていたタンポポをイメージした。


「そしてこれが使えそうだ、『成長促進アクセル』!」


 魔力を込め、一瞬。手のひらにあった種が猛烈な勢いで成長し、一気に開花した。


「セットで使うとよさそうだな。そうだ! ここに植物操作をくわえると戦闘の幅が広がるだろう」


 てか応用効くしこれ強くね? そうと決まれば


「よし、さっそく特訓だな」


 そう言いながら次々と魔法を行使していき時間が過ぎて行った。




「ふぅ……久しぶりに疲れたな」


 汗をぬぐいながら今日の結果を纏める。

 まずこの魔法は対象物が大きければ大きいほど消費する魔力が増えるということ。

 そして範囲は自分を中心とする半径10メートルくらいである。

 まあ後者においては今後もっと伸ばせそうなきがする。


「それとあれだな。この能力を使うに当たっての植物の知識が少ない。これだと戦闘の幅も広がらないし能力を生かせない。明日から図書館で使えそうな植物でも調べるかな」


 明日からは卒業前並みの忙しさに戻るな。ただ研鑽は楽しいし頑張るほかはない。

 それにしても――


「ネネに言われたことをこんなに早くやるなんてな」


 そう言いながらも自分の未来の成長に胸を弾ませていた。



 時間も忘れて陽は暮れかけていたが、俺は明るい気持ちで寮に帰った。




 ☆★☆




 そして固有スキルのレベルアップから約ふた月。


 平穏な日々が過ぎて行き、俺はこれまでほぼ毎日「植物魔法」についての模索と植物についての知識を蓄えることを行った。ついでに、日光にあたりながら。

 レベルアップは最近していないが、継続は力になるだろう。


 そんなある日、ラルフドが俺に話しかけてきた。


「おまえ、最近少しは頑張ってるらしいな」

「最近は腕を磨くことが楽しくなってきたからね」

「そうかぁ昔は俺とよく戦ったもんなぁ。負ける度に練習して。今回もそんな感じか? そんなに俺の実力が気になるんだったら模擬戦を受けてやってもいいぜ」

「唐突なお誘いだな。だけど遠慮しておくよ」

「ふん、さてはビビってやがるな。いいからやるぞ。日時は今日の15時からで場所は訓練場だ。セッティングは俺がしてやるから、逃げるなよ」


 おい、俺断ったのに話進めるんじゃねえよ。お前が戦いたいだけかよ。

 というか廊下のど真ん中でそんなこと言うせいでもう噂話されてるよ。これはなおさら断りにくくなった。


「分かった行ってやるよ。負けても泣くんじゃねえぞ」

「ふん、勝ったら俺が事実上の学園首席だ」


 そう言葉を残してラルフドはどこかへ行ってしまった。


 こうなったものは仕方ない。丁度このスキルを試してみたかったし、いい機会かな。

 早速用意しなければ。


 そう考えて自分の部屋へ戻った。





 数時間後、約束の時間になったので少し早めに訓練場につくと、既にラルフドがいた。

 こいつ意外とこういう所しっかりしてるな。


 首席と、六席である卒業生が模擬戦をすると在校生でも広まったのか、多くの人が集まっているなぁ。


「そう言えば言い忘れていたが、ルールとして固有スキルは使用禁止だ。俺とお前じゃスキルの強さが違うからな」

「え、まじで?」


 これじゃあ「植物魔法」の練習ができないじゃないか。

 しかし受けてしまったものは仕方ない。実際、植物魔法は剣術と組み合わせようと思ってたから、これも練習になるし。


「先に一太刀あびせたほうの勝ちな。審判は呼んだし、木剣をはやく持て。いつでも始められるぞ」

「分かった」


 剣をとりに行く。握った瞬間、在校時代に実技授業で振った感覚を思い出す。今までのなれなのか、はたまたそれはスキル「剣術」によるものなのかはわからないがうまく振れる気がする。


「用意ができたぞ。始めようぜ」


「それでは始めっ」


 審判の先生の声がかかり、構えをとる。


「俺から行くぞ! アルメリア!」


 開始位置からラルフドが走りながら斬りかかってきた。その斜め斬りを刀身でいなしてからそのまま振りかかる。

 向こうもその流れは予測できたようで斬りかかったときに踏み込んだ足で蹴って距離をとった。




「まだまだ!」


 休む暇もなくラルフドが突きを放ってきたのを見て、ステップをふんでよける。

 そのまま俺は下から斬り上げるも、返してきた剣に阻まれてつばぜり合いの状態になった。


 自分が押されているのを感じて、一瞬力を入れてからラルフドから離れ、再度構えなおす。



 均衡した闘いに周りが息をのんでいるのが分かる。



 俺は、また相手に初動をとられないようにすぐに動き出して、ラルフドが防ぎにくいような位置に剣を入れていった。

 相手は防ぎにくそうにさばいていくものの焦りが見え始めて大きく俺の剣をはじく。そして隙を見つけたかのように大きく速く剣を振った。


 と、俺がわざと自分に対して作った反動に引っ掛かったラルフドの攻撃をあえて体を倒して片手を地面に立てて体を支え、回避する。そして体勢を立て直し、大きく振った時に体勢を崩したラルフドに一発剣を入れた。


「俺の勝ち。だなラルフド」


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