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黄昏の集い..............? 忠実な人狼? そこから導き出される回答は一つだった。ヴォルが私の両親の死体を持ち帰ったんだ..............。でもどうして.....................?
固まる私を元に戻したのは、所長だった。教会の扉が開け放たれ、夥しい数の茨の蔦が入り込んで来る。棘のついた鞭を思い切り振りかざし、女の体をズタズタに引き裂いていく。
「紅葉!! 惑わされるな!!」
「硝吸鎌」
その言葉にはっと目を覚ます。今はそれどころじゃない。なんせこの洗脳被害をもたらした悪魔の言う発言だ。信用しちゃいけない。仮に信じるとしても、今じゃない。今じゃいけない。
持っていた鋼の十時に力を込めると、ステンドグラスの刃を形成させる。この世のものとは思えない程美しい武器。
それを思い切り振り上げると、体の修復を始める体に向かって思い切り薙ぎ払う。しかしその瞬間には体は泣く。空を掠めただけだった。
女は私の後ろに回り込むと、問答無用で首を締め上げる。意識が..............遠のく。
「今言った事は本当。気になるなら聞いてみると良いさ。隠し事が好きなだけだから」
女の嘲笑混じりの言葉が遠くで木霊する。早く次の行動に移さないと殺される。そう思った時だった。私の意思に反して、右手が動き出す。その右手は女の左手首を掴むと、問答無用で力を込めていく。みしり、みしり、と嫌な音がする。私は..............一体何を?
「君からの攻撃なら、すぐに修復出来る。無駄な抵抗はやめな」
女は片手で私の体を外に放り出すと、壁に思い切り叩きつけた。こんな状態でも十字を離さずに持っていた事に驚きを感じる。
もう一度大鎌を担ぎ直すと、助走を付けて走り出す。私達が傷つけた箇所はあっという間に戻される。でも硝吸鎌が傷つけられた手首は戻ってない。ならば.......。
「所長!!」
私の考えを理解した所長が茨を操り、目の前の女を縛り上げる。逃げられない。逃がさない。硝吸鎌、今だけ貴方の望むままに。
軋む背中に鞭を打ち、走り出す。刃の切っ先を思い切り上に向けて、振り下ろした。今度こそ命中。頭蓋から肉を抉るまで、グチャりとした感触を覚えながら、無理矢理刃を埋め込んだ。
「が..............」
女の消滅と共に、空間が歪む。戦闘が終わったのだ。
「所長、お話があります。私の両親について」
永久に完結しない方が夢がある。
これを書いていて思うのは、何時だってそんな事です。
不出来なものを送るのと、未完のまま夢を残すの、どちらが幸せなんでしょうか?




