悪魔崇拝
所長に連れられて、悪魔崇拝の儀式の元へ向かった。所長が地下室の扉を開け放つ。思わず口を塞ぐ。せりあがってくる吐瀉物をどうにか胃の中に戻し、奥歯を噛み締める。訪れた世界はあまりにも凄惨で惨たらしかった。
中央の細長い代の上には人が寝転んでいた。寝転んでいた。というのは語弊があるかもしれない。だってその人は息をしていなかった。もう死に絶えていたから。四肢を切り落とされ、バラバラ死体になった状態で、血を流している。地面には魔法陣。周りの信者達はそれを何か神聖なものでも見るように崇めている。
ふざけた世界だった。あまりにも酷かった。だから、早く解放しないと。
「所長!!」
「分かっている」
所長はこんな状態でも極めて冷静だった。双眸は怒りに燃えていたが、それでも私のように狼狽える真似はしなかった。黙って自らの聖遺物を出し、ぱらりと捲ると巨大な教会が現れた。行儀よく陳列された木材の椅子と、真正面のステンドグラスが印象的だった。
周りに狂信者達の姿は見えない。引きづり混んだのは目の前にいるこの事態を招いた張本人。
「よく来てくれたね。紅葉」
「..............っ」
ぐらりと一瞬意識を引き込まれた。強烈なまでの目眩。そして強烈な幸福感。私が私でなくなってしまいそうだ。、だがそれを引き止めたのは相棒だった。
硝吸鎌が私の腕を掴み、自らの元へぐっと引き寄せる。はっとして彼の顔を見ると憎らしい物を見るように。前を見据えていた。
「久しぶりだね。硝吸鎌。君をこっちに引き込むために私達は結構苦労してるんだぜ? だって君は脅威だから」
「黙れ。アブラムシ。正常な者に寄生して狂わせる、この世の悪の権化」
硝吸鎌の声を受け、女は僅かに目を潜めた。それからじっと私の崩壊に向き直り、すっと手を伸ばしてきた。
「ねぇ、君が知りたがっていること、教えてあげる」
物語の転まであと少しって感じです。
皆様的にはどうでしょう。やっぱり変わってますよね?
何もかも。




