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アンデッド─undead─ 二部  作者: 秋暁秋季
第二体 悪魔的禁猟×死神的捕猟
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2

哀愁に浸っていると、突然所長の携帯が鳴った。緊迫した空気を裂くように鳴った為、驚いて飛び上がる。それを見て硝吸鎌が落ち着けるように、髪を撫でた。

大丈夫。いつもの事じゃないか。所長は多忙な人だ。だから、だから..............焦っちゃ.......いけない。

「はい、綾吹です。..............うん。..............分かった」

声が沈んでいく。重く重く、底知れぬ海に沈み込むように。嫌な予感がする。物凄く。怖くなって硝吸鎌の手首を掴む。呼吸が段々と浅くなっていく。鼓動が高鳴る。硝吸鎌が落ち着かせるように腰に手を回し、軽くとんとん、と脇腹を叩く。

所長の電話が終わる。目が闘志に燃えていた。それを見て、私はある事を確信する。

「悪魔崇拝。同士討ちをした人間の死体をバラバラにして.......」

「おい」

青白くなる私を一瞥すると、硝吸鎌は咎めるように所長を睨む。腰に回した手を自分の元へ引き寄せて、威嚇するように唸り声を上げた。

「済まなかった。配慮が足りなかった。では率直に行こう。紅葉」

「はい」

「間違いなく君が苦手とする光景が広がっている。どうする。着いてくるかい?」

所長の目がじっとこちらを見詰めている。判断は私に任せるようで、私が口を開こうとするまで彼が言葉を発することはなかった。

口を開く。閉ざす。死体とは違った意味で、悪辣な光景が広がっている。戻すかもしれない。戦力にならないかも知れない。でも、それでも、所長を一人で行かせる訳には行かない。所長の聖遺物は大変便利だが、それでも。もしもの時は.......。

「足でまといになるかも知れません。でも、貴方の身代わりくらいにはなる。いざとなったら捨ててくれて構いません。私の死後はもう、決まっています。だから」

一度深呼吸をして、硝吸鎌を見る。

「私を、私の魂を、悪魔なんかに渡さないで。鳥兜(トト)

一度目を見開いた硝吸鎌の瞳はチカチカと光っていた。驚きと感激と、そんな興奮の入り交じった顔。それからいつものように、凄惨な笑みを浮かべると、薄い唇を開く。

「仰せの通りに」

硝吸鎌の名前、前契約者から貰った名前、「鳥兜(トト)」。まだその名で呼ぶ覚悟はない。けれど、今は、今だけはこの名で呼ぼう。貴方はとても特別な存在なのだから。

「行きましょう。所長」

先日忘れてしまったので、本日投稿させていただきます。

毎日は呼んでくれないだろうなぁ。『鳥兜』なんて。

それは死後の話になっちゃいそう。


追伸

鳥兜の名前の由来ですか?

前任があまりにも重たい感情を込めて名付けてます。

口先なんて建前ですよ。あんなの。

彼にとっては、硝吸鎌は親友であると同時に、最愛の恋人との間にもうけた子供のような存在なんで。

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