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アンデッド─undead─ 二部  作者: 秋暁秋季
第一体 黄昏の集い
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4

 ──まず、一番気になっているであろうインペラトルについてお話ししたいと思います。端的に言ってインペラトルとは死神の長であります。

「死神……?」

 神話とかに出て来るあの、黒いボロボロのローブに鎌を持って人間の魂を狩る……? それって思いっきり人間の敵じゃ……。

 そう思って警戒し、目つきを尖らせると、烏は黒い目を此方に向けて来た。いざとなったら焼き鳥にして、野良猫の餌にしてやる。

 しかし烏が言い放ったのは全く別の事だった。

 ──死神は魂を狩る存在であります。しかし生存している魂を無闇やたらに狩りつくすような真似は致しません。狩るのは死後の魂、それと強烈な未練を残し、この世をさ迷い歩く──。


         ──死体です──


 その言葉に私と塊、氷室が目つきを変えた。

 この事務所が只の事務所では無いことは、前の文面から分かって貰えたと思う。確かにこの事務所は普通の、事務整理や出版関係の事務所ではない。

 そう、この事務所は“強烈な未練を残して世をさ迷い歩くゾンビ”、通称“死体”を狩る事務所なのだ。

 簡単な死体の説明を入れたが、まだ分かり難いと思う。まぁ、端的に言ってしまえば“悪霊”をゾンビ化したものだと思ってくれれば良い。一般人にはその存在を認知されておらず、死体に襲われた時でさえ、訳も分からない激痛に見まわれて死ぬことになる。

 其処でそれを食い止める為に“死体狩り”が存在する。

 死体狩りは“見えざる目”と呼ばれる目を持ち、死体を五感で感じる事が出来る存在。一般に一人一人専門の武器を持ち、死体を狩る事となっている。武器については後で説明したい。専門用語の嵐になってきたな……。

 小説なんかの第三者の目線、主にストリーテラーが近くに居たのなら、『登場人物多い上、専門用語の嵐で申し訳ないです!!』と土下座でもしている事だろう。

「へぇ、じゃあ俺達の味方って事になるね。敵だったら容赦しない所だった」

 塊は笑顔で首を傾けて笑った。どうやら私と同じ様に、焼き鳥にして野良猫に食わせようという判断をしたようだ。でも敵ではないと判断した為にする事は無いだろう。

 私は欠伸をすると烏に質問する。

「で、その長様が私に何の用ですか?」

 ──はい。実は……。

「此処じゃなんだし、連れて行った方が早くない?」

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