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白時が姿を消してから数分後、今度はもう別の幼子が白時の側に寄り添っていた。寄り添うと言っても、姿は白時の背に隠れてしまって、見えるのは腕と銀の髪だけだった。
「冥鬼」
名前を呼ばれた少年は、恐る恐ると言ったようにそっと頭を出した。表情に張り付いているのは恐れや怯え。人見知りの人間が良く見せるあの反応だ。それからまた慌てて白時の後ろに顔を隠してしまった。
「棺は如何したの?」
「お姉ちゃんの元に置いてきた……」
話をするときだけ、そろっと顔を出し、また慌てて隠す。言わなくても分かると思うが、冥鬼は過度の人見知りである。基本的に棺、つまりは銀の糸を媒体として、人との接触を試みる。
あれ、あぁ見えて万能なんだよなぁ……。
そして氷室が鎖で雁字搦めにしているのも、その糸が誤って出てこないようにとの配慮であるらしい。緩んでいると、森の右往左往に伸びた木の枝を、事務所の狭い空間に突っ込んだような状態になる。
「もうっ、冥鬼は人見知りの激し過ぎー。ちょっとは直す事も考えなよー」
白時の腕にしがみつく指を引き剝がし、向き合う。
これだけ見ると、白時の方が姉っぽいなぁ……。何時もは子供っぽく、無邪気なのに。
「だって……」




