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ふと、その時だった。塊の首回りに白い靄のようなものが集まり始めた。悪魔かと思い、硝級鎌の裾を引っ張るが、抱き着いたままの体制から離れようとしない。
徐々にその白い靄は人の、つまりは子供の姿を形作り、徐々にはっきりと表した。
「じゃじゃーん!! 白時だよぉ」
「白時」
塊の首元にがっしりと腕を回し、ふわふわと浮遊している。その満開な微笑みは、幼い子供のそのものだった。
塊はすぅっと目を細めると、黙って白時の髪を撫でた。
「氷室ちゃんのところに行くんだよね? じゃあ白時に任せてー」
そう言って、またすぐに姿を消し去った。




