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待つこと数秒。返信は早い。
――金にがめつい公爵令嬢が、政略結婚をするそうですよ? です(*´ω`*) 世の中愛では無く、金よっ!! と割り切っているところがめっちゃ面白かった( ̄∇ ̄) お勧めです(*´ω`*)――
よくもまぁこんなものの数秒間で、これだけの文字が打てるなぁと関心してしまう。あっ、でも作家故に打つ速度は人並みよりも早いのか……。
一人納得していると、後ろから肩を叩かれた。
「はい、出来たよー」
ハンバーグと、付け合わせの冷凍食品フライドポテトを盛った皿が、彼の胸の辺りで支えられている。
取り敢えず一人分。もう一つはまだフライパンの中で眠っている事だろう。
塊はその一つをテーブルの上に置くと、もう一つの方を取りにキッチンへと戻っていく。
塊は何時も一人で行おうとする。特に“料理”に関しては。私の手を煩わせないようにと気を遣わせてしまっているようなところが申し訳ない。そんな気遣い、無用なのに。
「はい、たーべよん」
「うん」
食事は静かに行われる。何時も、という訳では無いけれど、今日は静かだった。肉の塊にナイフを差し込むと肉汁が流れていく。……思わず勿体ないと思ってしまうのは、食い意地が張っている証拠だろう。
塊の方を一瞥すると、手元にあったテレビのチャンネルを片手に、ハンバーグの切れ端を口の中に突っ込んでいる最中だった。私とは目が合うはずも無く、視線はテレビへと注がれている。
正直、安心した。視線が合うと塊は無理にでも……其れこそ無意識に場を盛り上げようとする節があるから。
「ねぇ、紅葉ちゃん。美味しい?」
朗らか過ぎる笑顔で、問い掛ける。お願いだから、無理して笑わないで。そんな約束、前にしたつもりも覚えもないけれど、もっとらしく振る舞って。
「うん」
そんな思想を話せる筈も無く、また肉の切れ端のと共に呑み込んで終うのだ。きっとこのことを言うことは永遠にないのだろう。墓の元まで持って行く事になりそうだ。
静かな食事が終わり、ソースの残った皿を塊が掻き集める始める。そしてまた、キッチンから私を追い出すのだろう。
――風呂に入っておいで。――
と。だが今日くらいは此奴に任せてもいられない。ちゃんと、働かなくては。




