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アンデッド─undead─ 二部  作者: 秋暁秋季
第二体 悪魔的禁猟×死神的捕猟
52/89

1 ネトゲ

 何とか学校の授業を終え、真っ先に帰宅する。

 死体狩りの仕事をしている事以外は、ただの女子高生である。ずば抜けて成績が良いだとか、運動神経が抜群だとか、そんな事は一切ない。


 私は欠伸をしながらのろのろと階段を下っていく。踊り場の窓からは橙に成りきれない、中途半端な白い光が差し込んでいる。其れをぼさっと眺め、また一段、もう一段と沈む。

 今日は死体狩りの仕事はないのだろうか……。無いのならば其れは其れで万々歳だし、深く考える必要もないのだろうが、その分代わりに誰かが働いている事を思うと、何だか憂鬱な気持ちになった。


 気が付くと、一階。昇降口の簀の子が出口を指し示し、真っ直ぐに伸びている。本日も無事終了……そう思ったときだった。不意に頭をかち割るような激しい頭痛に襲われた。其れはほんの一瞬の事であったが、その場にへたり込んでしまうほど、強烈な一撃だった。

 私はよろよろと立ち上がり、深呼吸をする。きっと……疲れているのだろう……。さっさと自分の布団に包まりたい。


 昇降口で感じた頭痛が嘘のように、その後は何事もなく家路に着いた。

 私が暮らしているのは、小さ過ぎることも、大き過ぎることもない普通のマンションである。その自宅前のドアノブをそっと下げ、隙間から覗き込むようにして、様子を窺う。どうやら塊は返ってきていないようだ。

「ただいま」


 誰に対してかも分からない“ただいま”が寒い廊下によく響く。まぁしかし、これで塊が不在である事は分かった。居るならば颯爽と玄関まで来て、私の手を握るだろうから。


 踵をすり合わせながら靴を脱ぎ、早速自分の部屋へ。シングルサイズのベッドに焦点が合わさると、迷う事なく飛び乗った。それから持ち前のスマホを引っ張り出し、カチャカチャと音を立てながら操作。タイトルを聞くべきだったな……。


       ──流行のネットゲーム──


 どうやら群青が行っていたゲームが、多少なりとも気になっていたらしい。自分でも驚きである。

 静な部屋の中で、指先がキーを押す音だけが響く。当たり前だが検索結果は腐るほど出てきた。あの時群青に聞いておけば良かったと少しばかり後悔している。

 しかし、一つだけ気になるものが。

「悪魔的禁猟×死神的狩猟?」

 今どきのゲームなら、やれ悪魔、やれ天使だとわんさか出てきてもおかしくないのだが、きっとインペラトルの言葉が突っかかってか、嫌に気になってしまった。我ながら影響されすぎだ。

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