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無理やり過ぎたと感じてます……。
改変入れないと……。
「じゃあ、一緒に行こうか」
「はい」
笑顔で同意する塊の後を追うように、二人はこの場を後にした。
二人がこの場を去るのを見届けてから、私は冷ややかな双眸で、事の元凶を引き起こした張本人を見る。彼は何事も無かったかのように三杯目の紅茶に口を着けている。
「閏日は出なくて大丈夫?」
「ふふ。こんな事位で心が折れているようじゃ、いけないでしょ?」
美女は口を歪め、長い髪を払った。
確かにその通りだ。マイペースで狡猾。相手に選択権、主導権を与えているようで、全ては彼の予定調和。何もかもがお見通しというのが本当に腹立つ。
私は彼を人睨みすると、溜め息を着いた。
「図ったな……狸……」
「何の事だか」
あくまで惚けた反応をするのが本当に憎らしい。だから推測した全てを聞かせてやる。
「そうだな。まず接触恐怖症の紅葉に触れようとしたこと。次に硝級鎌とヴォルを引き合わせて、殺し合い直前まで起こさせること。冷めた紅茶の入れ直しをさせる為、ヴォルを退出させること」
私は射抜くような目で彼を見据える。彼は其れを真っ向から受け入れると、五杯目のティーカップに手を伸ばす。
まだ飲む気なのか…………。
「偶然もあったけど、貴方の計算が多数含まれている。特に“硝級鎌とヴォルを引き合わせる”ってところがね」
全ては紅葉に“素手で”触る事から始まった。接触恐怖症の彼女は、熱が移ることをこの上なく嫌がる。それにも関わらず彼は触れようとした。
まぁ、インペラトルは必ず初対面の死体狩りに対しては、その熱を確かめるように触れ、頭を撫でる。私も閏日もやられた。だが嫌がる者に無理矢理するような真似はしない筈。
それを断行したのは、硝級鎌を無理矢理にでも呼ぶためなのだと感じてしまう。
「硝級鎌はね、紅葉を大事にしているんだよ。だからあの子に仇なす奴は例え貴方であっても打った切る」
「そうか?」
「勿論、貴方は其れを予測した上で触れようとしたのだろうけど」
口元に出来た三日月の裂け目が次第に大きくなる。血に酔った殺人鬼が対象物を見つけてほくそ笑んでいるようだ。
彼が表す反応は御名答。だがまだ完全ではない。
「硝級鎌に会わせる為に逆算して、ヴォルに紅茶を用意させたのだろう?」
ヴォルは硝級鎌が来ている事を知っていたら、間違い無く自ら避けようとする。自分がどうなるか良く分かっているからだ。でも其れをしなかったという事は、知らなかったのだ。




