第7話 騎兵の交代式
朝早く目覚めたので、トイレに入りながら家に電話で到着報告をする。みんなまだ寝ているので、もう一度横になってから起きて、朝食を取る。パンとシリアルとコーヒー。いわゆる、コンチネンタルブレックファストというやつ。食堂は地下にあるので、外の通りを歩いていく人を見上げる形になる。
午前9時半になるのを待ってから、駅でオフピークの一日券をカードで買って、トラファルガー広場へ。観光客と鳩がたくさんいる。
広場もゆっくり見学したいのだが、午前11時からHorse Guardsの騎兵の交代式があるので、急いでそこへ向かう。門の前には騎兵が歩哨をしていた。観光客は、みんな並んで写真を取っている。でも、断りも無く馬に触りながら写真を撮るのはどうなのだろうか。遠慮が無い。
門から中に入ると、広場の中にロープと杭で囲いができていて、観光客はその周りを囲むようにしている。それなりに人はいるが、十分に見る余地はある。なるべく人のいないほうに陣取って、そのときが来るのを待つ。
警察が警備をしていて、馬の通り道に人が立ち止まらないようにしている。あくまで私見だが、彼女は欧米人には説明しながら整理しているが、東洋人には命令調で、立ち止まるな、としか言わない。どうも、英語がしゃべれないと思っている人間には冷たいような気がする。
交代式は儀礼的なものなのだ。意味を理解できるほどに詳しくないから、見ていても、ふーん、という感想しか生じない。自分の解釈が生まれる余地が少ないのでつまらないのだろうか。でも、一見の価値くらいはあるだろう。やはり少しはワクワクする。