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第3話 出国手続き

 京成線で少し通勤ラッシュに巻き込まれたが、無事に成田空港第二ターミナル駅に到着することができた。午前9時。荷物を従え、エスカレーターに乗り、ターミナルを目指す。駅を出るとすぐに、空港のセキュリティーカウンターが待ち構えていた。パスポートを提示しないと通り抜けられないらしい。厳重なことだ。海外旅行者が持っていないわけも無いので、ポシェットからそれを引っ張り出し、提示する。すんなりと通過。当然だが、緊張した自分に損をした感じがする。


 案内表示に従って進んでいくと、エスカレーター手前に両替所を発見する。最初の寄港地は、イギリス、ロンドンだ。ATMでポンドを下ろせないはずも無いが、到着時間は午後10時近く。使えるかどうか不安だ。結局、八千円相当のGBPに両替をする。ポンドゲット。指が切れそうなほどの、エリザベス女王が書かれた紙幣に、わけも無く嬉しくなる。何せ、初めて手にする外貨だ。


 お金を財布にしまい、出発ロビーへと向かう。バウチャーの引き換えができるのは午前10時からのはずなので、まだ時間がある。その前に、JCBの空港サービスカウンターに行って、限度額の引き上げを行うことにした。ダラダラと歩いていくと、それは意外に簡単に見つかった。ラーメン屋の屋台程度の大きさのカウンターに職員が二人。後ろには各地のパンフレットが並んでいる。幸い、まだお客さんはいない。時間的に早いのだろう。カードを提示して用件を言うと、早速どこかに電話し始めた。さすがに手馴れている。程なくして、限度額増額成功。ついでに、パンフレットをもらい、キャンペーンの登録をしてもらった。この恩のためか、このカードを使おうという気になってくる。商売が上手いのか、僕が単純なのか。


 時間は早いが、問題のカウンターを探すことにする。よく分からなくて空港職員に尋ねたら、さっきいた場所の近くだった。呆れる。でも、グラウンドアテンダントって、もっと愛想が良いものかと思っていたが、それ程でもなかったのでがっかり。マックのお姉さんを見習って欲しいものだ。

 念のためカウンターに行ったら、チケットをもらえた。電光掲示板を見ると、すでにアエロのチェックインは始まっているらしい。Check-in Baggageが無いので、セキュリティーチェックはスルー。チェッカーのお姉さんは、機内預けが無いといったら、驚いていた。それはチェックインでも特に問題にならず、無事に終了。搭乗時間まではまだ間があるので、空港内をブラブラすることにする。チェックインしても荷物がまったく減っていないので、移動は面倒くさい。


 ふらふらしていると、アメリカンエクスプレスの勧誘に捕まる。審査を受けるように誘われるが、どうせ無職なのだから、受けたところで通るはずも無い。仕事か、と聞かれたが、遊びですと答える。うらやましがられる。これは本音だろうな、きっと。ジャケットを着ているから誘われたのだろうと思うが、実は無職なんですよ、エヘッ。ともかく断るが、なぜかボールペンをもらう。

 これ以上、外で勧誘を受けてもうっとうしいし、さっきのお姉さんと顔を会わせるのも気まずいので、出国手続きをしてしまうことにする。またしても金属探知機にベルトのパックルが引っかかる。北海道の時と同じだ。セキュリティーのお姉さんはベルトのあたりを触っても良いですか、と聞いてくるが、彼女も変な男の下腹部を触ってチェックするのは嫌だろう、仕事とはいえ。今後はベルトもはずすことにしよう。今回は、靴まで脱がされる。念の入ったことだ。しかし、カバンに入れていた鼻毛切りは無事にチェックを通過。刃渡りが長くなければ良いらしい。セットの中に入っているナイフを捨てさせられていたおじさんもいたが、知らなかったのだろうか。疑問だ。


 出国審査は何も聞かれることは無く、終了。しかし、仕事柄、愛想をまくわけにはいかないとはいえ、出国審査官は無愛想だ。


 出国審査が終了しても、荷物が減るわけでもなく、移動しづらいことに変わりはない。そんなわけで、ゲートはかなり広く免税店もたくさんあるが、店には入りづらい。いられる場所を求めてウロウロしていると、ヤフーBBのコーナーを発見する。どうも、タダで使えるらしい。ありがたい。少しの逡巡の末、使わせてもらうことにする。名前と、パスポート提示後に、USB キーをもらう。メールチェックとブログの更新。何となく長い時間使うのは悪い気がして、すぐに終了。終了の仕方が書かれていないので良く分からないが、キーを抜くと初めの状態に戻ったので、それでよいのだろう。なんと乱暴な方法だろうか。


 本当にやることがなくなって、寝椅子に横になりながら、持って来たお菓子、武者せんべいを食べる。移動の際の衝撃か、バラバラの粉になっていた。

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