第18話 バルセロナ市内
喫茶店のようなところでご飯を食べた。米を使ったマリネみたいなものを食べた。現地の人は、パエリアとステーキみたいなものを食べていた。これがスタンダードらしい。みんな注文している。あれが食べたいと言えばよかった。
街をフラフラとする。確かに、ちょっと路地裏に入ると人通りが少なく、不気味なところもある。でも、観光ポイントは、シェスタの時間でも人がいっぱいいるので、比較的安心。行動できないほど危険、というわけでもないようだ。
ピカソ美術館に行く。初めに入ろうとしたときは、現金に手持ちがほとんど無く、カードも使えないので、入場料を払えなかった。出直して、ATMでお金を下ろしてから、再度アタック。キュービズムに入ると、僕にはわけが分からないが、初めの方の絵は素直に上手いと思う。一瞬の感情を切り取って絵にした、と感じた。多分、その色々な側面を、いっぺんに表現したかったんだろうなあ、と思う芸術的な一瞬。日本人のおばさんが色々と薀蓄をたれていたけれど、僕には分かりません。
市場に行く。観光客用に、カットした果物などがたくさん売られていた。よく、ヨーロッパのオレンジはむちゃくちゃ甘いと言うけれど、僕が買ったのはそれ程でもなかった。やはり、安いのを買ったのが良くなかったのだろうか。物乞いのお姉さんにお願いされたけれど、断る。心苦しくて、しばらくその辺りに寄り付けなかった。
少し不便だったのが、ほとんどクレジットカードを使えなかったこと。現金をわざわざ下ろさねばならず、面倒だった。でも、よく言われているように、お釣りをごまかされることは無かった。きちんと数えながら渡してくれた。(これは、他の国、イタリアなどでもそうだった。)
イギリスの後だから特にそう感じるのかもしれないが、物価は比較的安いのではないだろうか。レストランで飲んだビールも、1杯0.90ユーロだったし。物価が安いところでは、治安が悪くなるのかもしれない。
駅に戻って、夜行列車の出発を待つ。荷物を取り戻し、駅のベンチで、昨日買ったビールとサラミを消費する。さすがに通行人に変な目で見られたかも。
午後9時15分。Hotel train出発。設備はすばらしい。でも、車掌には露骨に馬鹿にされた。”Can you speak English?”あと何度言われるのだろう。同室の人は、パリからアフリカに帰るらしい。慌てて来たのか、すごい汗をかいていた。隣の部屋は、日本人の夫婦らしい。