第12話 ストーンヘンジ
ここの朝食は、コンチネンタルは無料なのだが、目玉焼きやスープなど、温かいものを食べたい場合には、お金をとられる。そんなもの払う気は無いので、シリアルとミルクの朝食。ホットチョコが美味しい。
駅に行くが、日曜日のため、まだインフォメーションが開いていない。とりあえず、Salisburyまでのチケットを買うが、どの電車に乗れば良いのか分からない。日本のように路線図が分かりやすく書かれていないし、同じホームにまったく違う方向の電車が入ってきたりするので、適当に乗るわけにもいかない。インフォメーションが開くのを待っていたが、前の人の相談事がすごく長いので、何とか路線図から行き先を読み取って出かけることにする。
初めは午後2時まで電車が無いのかと思い絶望的な気持ちになるが、トーマスクックによれば1時間に1本くらいは走っていることになっている。アナウンスでソールズベリーの名前が出たので、荷物を持ってあわててホームへ。電車に乗り込む。
ソールズベリーからストーンヘンジまではバスで行ける。駅に着くと、多くの人が事務所に駆け込むので、その人達の後についていく。バスのチケット売り場だった。すぐにバスが出発してしまうので、列に並んで購入し、バスへ乗り込む。こんな状況でも、販売員はマイペースだ。
荷物を置いていきたいが、時間が無いのでロッカーを探すこともできない。まさか、こんなに荷物を持ってストーンヘンジに行くことになるとは。
ストーンヘンジは、本当に何も無い草原の真ん中にある。
突然、降ってわいたとしか思えないほど異様な光景であるにもかかわらず、周囲に溶け込んでしまって自然に思わせるところが恐ろしい。伝説では、魔術師マーリンが持ってきたとか、持ってこさせてといわれているらしい。
かつては、丘の向こうの街に至る参道があったらしいので、誰かが何かの目的で作らせたのは間違いないと思うのだが、保護されるまでに、多くの好事家によって石が持ち去られたらしく、本当の形がどのようなものだったのか、今となっては知るすべが無いらしい。一体、全景はどのようなものだったのだろうか。
帰りのバスを待っていると、家族連れで来ていた、小さな男の子とお母さんが目の前で遊びだした。子供が走り回るのと一緒になって、お母さんも同じ目線でピョンピョン跳びはねている。愛情いっぱいだなあ。
帰りに、ソールズベリー大聖堂による。内部は、厳粛な雰囲気が漂っていて、祈りの場としてふさわしいと感じた。その雰囲気にひたるため、しばし椅子に座る。中では、おそらく、ミサの曲の練習が行われていた。ちょっとしたオーケストラ。人も大勢いたし、きっと何かが行われるのだろう。
帰りの電車の時間が近づいているので、急いで駅に向かう。静かで人も少ないが、よく整備されている街だ。急いで駅に行ったにもかかわらず、帰りの電車は30分ほど遅れる。 Waterlooでマックのハンバーガーを買って食べる。YHに行ってチェックイン。今度は学割にしてもらう。鍵をもらって部屋に行くが、扉を開けて愕然とする。女の子が3人いる!部屋を間違えたと思い、あわてて外へ。確認するが、間違っていない。もう一度中に入って、挨拶をする。
6人部屋で、女の子5人に僕1人。いくらMixed roomとはいえ、有り得ないでしょう!非常にいづらい。目のやり場に困る。頼みますから、普通にタオルを巻いてシャワーから戻ってきたり、目の前で着替え始めたり、パンツを干したりしないで下さい。本当に、お願いですから。
部屋の中のコンセントが壊れていたので、仕方なく、廊下で充電をする。不審人物っぽい。まるで、のぞきにでもなった気分だ。
彼女達のいない間に寝てしまうのが最良の対策だと思う。おやすみなさい。ああ、明日もこの部屋なのか。