奇数 プロローグ
夕暮れ前に下校していた。
今日は、中間テストも最終日といった所で解放感はあった。
だが、その解放感を友人達と発散するという気分でもなく、
「じゃあ!後でこいよな!」
なんていう言葉を「できたら行くわ」なんてかわしつつ、
絶賛帰宅中である。
テスト勉強もさるとこながら、
ここ最近変な夢ばかりみているからか、なにかしらダルい。
一人の人間の生活を第3者として上から眺め続けるという夢だ。
その夢では、この世のものとは思えない状況が多々あった。
『魔法』としか表現できない現象が飛び交い、自分と同じくらいの年代の子供が
学生服らしきものを身にまといながら戦っているのだ。
そいつを見る度、やけに覚えているせいで、眠った、
という感じにもならず体調がすこぶるダルい。
おかしい。と、自分自身でも思う。
その手のゲームや漫画を沢山知っているし、現在でもやっているが
夢にまで出るとはやりすぎなのだろうか。
だけども、自分が主体じゃない夢なんて中々に珍しい。
なんて思っていると携帯の着信音が鳴った。
いつまでたっても来ない俺に、しびれをきらしたクラスメイトだとは思うが、、
ポケットから電話を取り出し、確認する。
液晶画面には名前が表示されておらず、電話番号の羅列もおおよそ
携帯の番号ではないような並びだ。
なんだいたずらか、と拒否ボタンを押し、ポケットにいれた。
「は?」
そんな第一声が飛び出すのも無理は無い。
辺り一面が草原だったのだから。