1月4日 到着П黄昏σ夜中
「はい、つきましたよ。島の中心部にある白鮫一族の鉈城館(なたしろかん)に行けば宿を用意してくれるよ」船長さんが俺たちに伝えてくれた。
ついた先には真っ白な雪景色に包まれた、圧倒的な迫力を持つ島だった。
「お二人さん、代表的な密室のパターンって知ってる?」いきなり煉雄が話しかけてきた。
「いや、知らないけど・・・」俺と美秀はそろって行った。
「代表的な密室のパターンは島、雪、館の三パターンなんだ」
「・・・今の状況わかって言ってんの?」美秀が少し怒った感じで言い返した
「もちろん。鮫胎島の鉈城館に行くわけで、おまけに島全体が雪に覆われてる。これで、フェリーがこれなくなったら完ぺきに孤島になるね」煉雄が楽しそうに言った。。。
「ちょ、そんな怖いこと言わないでよ」と言い、美秀が振り返るとすでにフェリーは停泊所を出発していた・・・
「おちつけ、おちつけ。もうここは鉈城館にいくしかないだろ」このままだと、のら猫とヤマネコのけんかが始まりそうだ・・・今一瞬美秀に睨まれたような気がするんだが(テレパスか!おまえは)
えーと・・・鉈城館への行き方は・・・
「あ、すみませーん。鉈城館ってどこですか?」美秀が道の先に一人の老女がいるのを見つけ、声をかけた。
老女は一瞬怪訝な顔をしすぐさま答えた「あんたら、島の人間じゃないだろう。やめときなされ・・・恐怖を見たくなければ。 やめときなされ・・・」と言い、立ち去ってしまった。
「なんなんだろうな?あの人、地元の人だよね。なんであんなに反応悪いいんだろう」美秀が不思議そうに言った。
その後も、道端で見かけた人たちに鉈城館について聞いてみたが、みなあまりよい反応は期待できなかった そして・・・黄昏になってきたころ町の外れの砂浜で一人の青年にあった
「あの、すみません 鉈城館ってどこですか?」すると青年は・・・
「僕の家に何か用でも?」
「え?ということはあなたは白鮫一家の息子さんなんですか」煉雄が丁寧な口調で聞いた。
「ん・・・まぁそうだけど。えー、僕の名前は白鮫 大千(しらさめ だいち)。白鮫家長男です。ところで僕たちに用があるのでしょう?」
「ええ、本州のほうから来たんですけど。フェリーの船長さんから、鉈城館に行けば宿を貸してくれるよ…と聞いたもので」
「ああ、なるほど。そういうことでしたら、連れて行きますよ。じゃあこっちに。少し山道を走りますが十分ほどで着きますので」
どうやら、鉈城館まで送ってくれるようだ。
道の悪い山道を車で行くこと十数分・・・山の中腹にある大きな館に到着した。
ギィィィ~ 古風な音を立て大きな門が開いた
「館内の住人たちには、先ほど事前に連絡しておきましたので、みな食堂で待っています。では、食堂まで連れますね。」
あるくこと数分、大きな扉の前に俺たちは通された。
「中に入ってください」
食堂は奥に暖炉があり、部屋の中心部に大きな長方形のテーブルがあり、そのテーブルにそるようにたくさんの人が座っていた。
長方形のテーブルの暖炉の前の椅子に一人の女性が座っていた。
その女性が声を発した。
「鉈城館へようこそ。私は、白鮫家当主の白鮫 恵好(しらさめ けいこ)と申します。あなたがたのことは息子の大千から聞いています。」
彼女はそこ一旦言葉を切った。彼女の風貌はまるで吸血鬼のようだ。蝋のように白い肌、高い鼻、血のように赤い唇、きめつけは彼女の細く鋭い無表情な眼であった。そしてその眼が神嵜たちを観察するようにさらに細くなった。
「今日はもう遅いですから、明日の朝もう一度この食堂に集まってください。その際に自己紹介させてもらいます。」
結局俺たちは、一言も言葉を発することなく白鮫家当主との面会を終えた。
「じゃあ、またあした。あ、そうそう晩御飯は使用人が運んでくれるから」部屋へも大千さんが案内してくれた。
部屋はとても広く、普通のビジネスホテルの部屋が二つくらい入るような部屋だった。トイレとお風呂が二つずつついているというすごい状況になっている。
「じゃあたしお風呂行ってくるから。ご飯来たら先に食べてて」と言い残し美秀が風呂に行ってしまった。
「それじゃ、涼と僕どっちが先に入ろうか?」
「よしここは、じゃんけんで行こうじゃないか。」
「そうだね。じゃあいくよ。じゃぁ~んけぇ~んぽぉ~ん」
俺が出したのは stone
煉雄が出したのが paper
石にくるまれて俺の負け
「ちなみに、じゃんけんで引き分けになる確率は、二人でやると約66%、4人でやると約50%になるんだ。ってことで、行ってくっから。夕御飯が出たら先食べといてね」
・・・三十分ほどソファで本を読んでいると、煉雄が出てきた。
「よし、じゃあ涼行ってきてな」
俺が出てもまだ美秀は出てなかった。
そして美秀が入ってから1時間後、美秀が出てきてから夕飯が運ばれてきた。
俺らは夕飯を食べてからまるで3人がそろうのを待っていたように(考えすぎか・・・)
俺らは夕飯を食べおわってからみな寝る準備を始めた。シングルのベットがちょうどよく三つある。
寝る前に煉雄が窓の外を見ていた、カーテンの隙間から差し込む月明かりは、ゆらゆらしており雲にさえぎられは、またあらわれるを繰り返していた。どうやら、明日の天気はあまり良くないようだ。
数分後3人とも床に就き、電気が消えた。