表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した理系男子が、地味スキルで冒険者をやっていたら、なぜか誰からも攻撃が当たらない件  作者: カトーSOS


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/8

第6話 目覚めと確認

第2章



 最初に感じたのは、足元の感触だった。

 固い。土だ。舗装されていない地面に、靴底が直接触れている。


 ムラカミ・コーイチは、すぐに立ち上がろうとはしなかった。視線だけを動かし、周囲を確認する。木々がまばらに生え、陽光が斑に落ちている。森――というほど密ではないが、人の手が入っているとも言い難い場所だった。


 次に、自分自身を見る。


 服が違う。


 見慣れたTシャツやジーンズではない。粗めの布で作られた上着と、動きやすさを優先したズボン。色合いも地味で、装飾はほとんどない。サイズは合っているが、明らかに日本で日常的に着るものではなかった。


 腰に違和感があり、視線を落とす。

 帯状の留め具。そこに、短い刃物が差し込まれている。


 ナイフより少し短く、刃渡りも最低限。飾り気はなく、刃も研ぎ上げられているというより「使われてきた」印象だ。護身用としては自然な位置にあり、無理に主張しない形で収まっている。


 さらに、腰の反対側に巾着のような袋があった。口を絞り、中を覗く。

 硬貨。数枚。色や大きさが揃っていない。日本円ではないことは、触った瞬間にわかった。


 ここまで確認して、ようやく一つの結論に達する。


 ――少なくとも、日本ではない。


 夢だと片付けるには、感触が多すぎた。風の匂い、地面の冷たさ、布の擦れる音。身体そのものに違和感はなく、頭も冴えている。


 コーイチは、深く息を吸い、ゆっくり吐いた。


 慌てる理由はない。だが、油断する理由もなかった。


 物音がすれば、自然と首が動く。背後、左右、足元。視界の端に動く影があれば、立ち止まる。初めての場所で警戒するのは、当たり前の反応だった。


 立ち上がり、周囲を見渡すと、少し離れたところに踏み固められた道があった。獣道ではない。幅があり、草が押し倒されている。


 ――人が通っている。


 それだけで、進む理由としては十分だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ