第4話
RICO
「はい、それではリスナーの方のリクエストの曲をお送りしましょう。先程お便りを頂きました“虎ノ門のユカ”さんからのリクエスト。かなり前の曲ですね。それではお聞きください。姫乃樹リカさんの『硝子のキッス』です」
《――控室》
亜紀(唖然)「ブッ――――――!!」
玲奈(呆然)「ブッ――――――!!」
麻里(愕然)「ブッ――――――!!」
《♪楽曲イントロ~フェードアウト》
《――自宅・保奈美》
保奈美(顔を真っ赤にして)「これ、なんか身につまされる曲だな……『硝子のキッス』か。……ふふっ。こないだしちゃった……なんか、この曲いいな。
ちょっとダウンロードしよっと」
《――控室》
亜紀(怒り)「もう、玲奈があんな曲歌うから、由佳さんがこんなリクエストしちゃったじゃない!!」
玲奈(泣きべそ)「そんな……でもコレは本当に神曲なんですよ」
麻里(怒り)「コレ、今、直也も保奈美ちゃんも聞いているのよ。どうするつもり!!」
※※※
《ジングル♪ ~軽快なカフェBGM~》
RICO
「さあ。ここまでお送りしてきました『RICOのイブニングカフェ』。如何でしたでしょうか?
毎週木曜日夜に、五井物産GAIALINQプロジェクトフロアの特設スタジオからお送りしてるのですが、毎回五井物産の皆さんもスタジオまで見に来ていただいています。
巨大商社って、こんなに大勢の方が、いろんな仕事しているんだなぁーって、私も実感しています。今日はスペシャルゲストという事で、直也さんにお越し頂きました。直也さんはラジオ番組出演されてみて如何だったでしょうか?」
直也
「まぁ、商社での普段の仕事とは全然違うので、すごく緊張しますね」
RICO
「本当ですか?なんかすごく手慣れている感じですけれど」
直也
「まぁ、RICOさんの番組なので、話しやすかったですね。助かりました」
RICO
「良かったです。頑張って進行しましたから、またご褒美くださいね」
直也
「え?ああ。まぁ……はい」
RICO
「はい。約束です。……さて、それではそろそろお時間です。皆さん、また来週も遊びに来てください!」
――『RICOのイブニングカフェ』、この番組は、五井物産株式会社、株式会社フェリシテ、株式会社五井不動産、そして日本GBC株式会社の提供でお送りしました」
《CMジングル♪》
※※※
《――控室》
亜紀(怒り)「さり気なく次回のデートを催促したのね、アレ」
玲奈(怒り)「裏方がどれだけ苦労したか分かっているんですかね!それで自分だけデートとか、ふざけすぎですよ」
麻里(怒り)「本当、やり方が汚いわね。でも……あれくらい強引でないとダメかも」
《――自宅・保奈美》
保奈美(不安)「こないだも週末出かけていたけど、またどこかに行くのかな?ちょっとイヤだな……」
※※※
ディレクター
「ハイ。皆さんお疲れ様でした。しかし、この番組もう大好評ですよ。ウチの局の他の番組スタッフが、RICOさんゲストで来て欲しいって言っていまけど、皆この番組聞いているらしいです。局内コラボとかもちょっと企画してみましょう」
RICO
「本当ですか!ありがとうございます!頑張りますので、ぜひぜひ!」
直也
「ふぅー疲れた。莉子よく毎週できるな、こんな事」
RICO
「全然平気だよ。ねぇ直也くん、さっきの約束だからね!」
直也
「あ、ああ。でもなんか後ろの皆さんが険悪そうな雰囲気だから、ちょっと考えさせてくれ」
RICO
「さすが『悪い男』www。でも、もう約束は約束だから。じゃあ、お疲れ様でした〜」
直也
「ハイ。お疲れ様でした。……仕事が溜まっているというのになぁ……ああっ、亜紀さんも玲奈も麻里もさ、そんなに怒ってないで、プロジェクト進捗確認しましょう。……硝子ごーしの〜♪」