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第3話

《ジングル♪ ~軽快なカフェBGM~》


RICO

「さてここからは、恒例の“リスナーさんからのお便りコーナー”です。

今日もたくさんのお便りをいただきました。ありがとうございます!」


RICO

「まず一通目。ラジオネーム“マリリン”さんから」

《手紙を読む声》

『私の知り合いの知り合いが、昔付き合っていた男性と再会したそうなんです。

でもその女性は、ちょっとした誤解で自分から別れてしまって……。

今さらですが、もう一度やり直すには、どうしたらいいでしょうか? と、よく相談されます。どうすれば良いか直也さん、教えてください』


直也

「……うーん、大事なのは“誤解だった”と正直に伝えることじゃないでしょうか。そして今の素直な気持ちを言葉にする、それが一番だと思います」


《――控室》

麻里(腕組み)「……じゃあ、『素直な気持ち』ってどうすれば伝わるのかを教えてよ!」

玲奈(ジト目)「“知り合いの知り合い”って、要するに自分って事でしょ。もうバレバレですけど。大体、何このラジオネーム」

亜紀(ジト目)「直也くんも、何普通にコメントしているのかしらね」


RICO

「続いてのお便りは……ラジオネーム“レナードの夕べ”さん」

《手紙を読む声》

『友人の友人の女性が仕事仲間の男性に好意を持っているそうです。

同期の男性で、研修の時に助けてくれる機会があって、それからもう一筋らしいのです。

でもその男性は“仕事への責任感”ばかりで、全然甘やかしてくれないらしいんです。

どうしたら“恋人らしい瞬間”をつくれると思いますか?直也さん、教えてください。……なんか今日は直也さんご指名のお便りが多いですねwww』


直也

「う〜ん。困ったな……。そうですね……仕事を忘れられる時間を意識して作ることでしょうか。例えば、その相手がリラックスしているような時間――それこそ自宅に居る時間とかに一緒にいられるようにする事が、一番じゃないでしょうか」


《――控室》

玲奈(腕組み)「……それが出来ないっての!たまに行く時は皆一緒だし!だいたいそういう事だともう圧倒的に保奈美ちゃんが有利ってことじゃない!!」

亜紀(ジト目)「もう、“友達の友達”だってバレバレじゃん。何この映画タイトルみたいなラジオネーム」

麻里(苦笑)「だいたい、甘やかして欲しいって、全国放送で言うのもどうかしらねwww」


RICO

「次のお便りです。ラジオネーム“アッキーナ”さん」

《手紙を読む声》

『私の遠縁の親戚の遠縁の方が、ある男性の教育係となって知り合い、その相手を好きになってしまったらしいのです。でも、その男性は全然気づいてくれず、いつも『◯◯さん』とさん付けのまま呼ばれてしまうみたいなのです。どうしたら名前だけで呼んでもらえるんでしょうか?直也さん、教えてください。……なんか今日は直也さんご指名ばかりですねwww。人気ですね直也さん』


直也

「ははっ。困りましたね。……そうですね。この男性は、敬意を込めているだけで、別にその女性と距離がある訳ではないと思いますと。私もいつも助けてくれる同僚がいっぱいいますけれど、社会人になった当初からお世話になっている方には◯◯さんと普通にさん付けします。でもそれは距離があるからではないですね。礼儀としてです」


《――控室》

亜紀(歓喜)「そ、そうなのね!でもそれでも、呼び捨てにしてもらっていいのに」

玲奈(ジト目)「何が“遠縁の親戚の遠縁”なんですかね。もうどう考えても当事者は一人しかいないでしょ」

亜紀(ジト目)「そんな事よりも『素直な気持ち』の伝え方を教えなさいよ!」


RICO

「ところで、直也さんは、女性の年齢を気にするタイプですか?好きな女性は年上?同年齢?それとも年下?」


直也

「いえ、そもそもその質問がおかしいですね。相手の年齢が好きな訳ではなくて、相手が好きなのですから、その好きになった相手が、年上か同年齢か、それとも年下かというだけの事で、先ず相手への好意が先だと思いますよ。年齢に恋する訳じゃない」


RICO

「ふふっ。またまたカッコいいセリフをいただきました。

もう『年齢に恋する訳じゃない』で、多くの女性の心を鷲掴みしてしまったのではないでしょうか?……でも本当にそうですね」


直也

「そうですね。日本はどうしても若い女性が持て囃される場合が多いですが、フランスだと、女性は四十代が一番素敵だと言われるんですよ。これは男性についても同じですけれど、壮年の男性、女性がもっと輝いている、そういう成熟した価値観が、もっと日本には必要だと思いますね。若いという事は、確かに一つの特権だとは思いますが、良い年齢の積み重ね方を続けている方は、それ以上に素敵だと私は思いますね」


《――控室》

亜紀(歓喜)「そうよね!素晴らしいわ、直也くん。すごく素敵な価値観よ!」

玲奈(ジト目)「亜紀さん。言っておきますけれど、これだと由佳さんも当てはまりますからね」

亜紀イラッ「あの人は関係ないでしょ。まぁでも、直也くんが素晴らしい女性観の持ち主である事がこれで明確になったわね」

麻里(ジト目)「まず同年齢の元カノに目を向けなさいよ!」


RICO

「続いてのお便りは……ラジオネーム“虎ノ門のユカ”さん」

《手紙を読む声》

『私は昔からずっと好きだった人がいて、人生で最初で最後の恋が終わったと思っていました。でも最近その好きだった人とよく似た人に惹かれている自分に気付く事があります。でも年齢が八つも下の男性なのです。流石に直也さんは八つも上の女性には興味がありませんよね?……なんか今日、直也さんばっかりですねwwwこれスタッフさん恣意的に選んでいませんか?wwwまぁいいけど。ハイ。直也さんどうでしょう?』


直也

「さっきも言いましたが、大切なのは年齢がどうという事ではないと思いますよ。私は、だから全然気にしません。むしろ年上の方はやさしく甘やかしてくれそうだから、惹かれる部分が多いかも知れませんね」


《――控室》

亜紀イラッ「ちょ、ちょっと、コレ絶対由佳さんだよね?あの人何ラジオ投稿してんの?」

玲奈(ジト目)「一応スポンサーだからじゃないですか?……でも相談内容が具体的すぎてドン引きです。このままじゃ、年増のババァが直也のファンに大量になりそうですね」

亜紀(吹き出して)「www。でも可処分所得高そうだから、フェリシテにとっては都合がいいかも」


《――自宅・保奈美》

保奈美(ちょっと落ち込む)「直也さん、年上の女性が好みなのかな?……でも、私だって甘やかすことはできるもん」


RICO

「続いてはラジオネーム“ブラコン”さん」

《手紙を読む声》

『私の知人が、年上のお兄さんみたいな人の事が大好きみたいなのですけど……。

相手のお兄さんみたいな人は、まずは素敵な大人になるようにと言ってばかりで、なかなか女性として見てもらえないみたいです。どうしたら振り向いてもらえますか?直也さん、教えてください』


直也

「……そうですね。やっぱり、その男性の方が言っている事はよく分かりますね。まずは、ブラコンさん自身が、素敵な大人になるように頑張ってください。素敵な大人になる事で、振り向いてもらえるかもしれませんよ」


《――自宅・保奈美》

保奈美(顔を真っ赤にして)「ちょ、ちょっと! 完全に私のことだよ、コレ!……誰がこんなの送ったの?」


《――控室》

亜紀イラッ「ちょっと、コレ誰が書いたの?」

玲奈イラッ「なんかコレ、どうもRICO本人みたいですよ……保奈美ちゃんへの当てつけでしょ。本当にやることが姑息というか汚いというか」

麻里(笑う)「保奈美ちゃん、聞いていたらびっくりしているでしょうねwww」


RICO

「最後のお便りです。ラジオネーム“謎のトリリンガルさん”」

《手紙を読む声》

『ウチの知り合いが風邪で寝込んでいるのですが、直也さんが英語やスペイン語で“好きです”って言ってくれれば、すぐに治るような気がします。直也さん、ちょっと言ってみてください……なんですかね?これ?』


直也

「えっ……えー……“I love you”……“Te quiero”……」


RICO

「ふふっ、ありがとうございます! はい、リスナーのみなさん、いま保存しましたね?」


《――控室》

亜紀(頭を抱える)「また、こういうクソ投稿……」

玲奈(呆れ顔)「これ完全に梨奈さんですよね。もうスポンサーがワガママすぎるというか、みんな直也が好きすぎで大問題です」

麻里(ジト目)「これでまたリスナーが勘違いするのは確定ね。GAIALINQよりもファンマーケティングやった方が儲かるんじゃないの?コレ」


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