第1話
《ジングル♪ ~カフェ風の軽快なBGM~》
RICO
「こんばんは。『RICOのイブニングカフェ』の時間です。
10月からスタートした毎週木曜日夜の新しいラジオ番組、おかげさまで数週間が経ちまして……ようやく少しずつ慣れてきました。
この番組は、五井物産GAIALINQプロジェクトフロアの特設スタジオから、私RICOがカフェにいるような、くつろいだ気分で聞いていただけるように、楽しい時間をお届けします」
《ジングル・短いスポンサー読み》
「――この番組は、世界と日本の未来を創る・五井物産株式会社、
ファッションシーンを素敵に彩る株式会社フェリシテ、
そして株式会社五井不動産、日本GBC株式会社の提供でお送りします」
RICO
「さて、今日はスペシャルゲストをお迎えしています。
本当は番組スタートのときに来ていただきたかったんですが……お忙しくてなかなかスケジュールが合わず。ようやく今日、お越しいただけました!
五井物産が今進めている、全世界注目のプロジェクト『GAIALINQ』の最高執行責任者、五井物産の一ノ瀬直也さんです!」
直也
「はい。一ノ瀬直也です。リスナーの皆様、こんばんは!」
RICO
「実は直也さんは、もうご存じの方も多いと思いますが……私とスペシャルユニットを組んでいて、『RICO×NAOYA』のNAOYAとしても活躍中なんですよね。
でも今日の直也さんは、商社マンとして?それともNAOYAとして?どっちなんでしょう?」
直也
「どちらでもなくて、全部ひっくるめて“私自身”ですね。
GAIALINQという大切なプロジェクトがあって、それを商社マンとしても、そしてNAOYAとしても進めたい。
だから私の中では一貫してひとつの直也なんです」
RICO
「ふふっ。さっそくカッコいいセリフをいただきました。
直也さんはね、もうしょっちゅうこういうことを言うんですよ。
女性リスナーのみなさん、油断してるとすぐ心を持っていかれますからね。……え?そんなことない?
いえいえ、それを決めるのは直也さんじゃなくて、聴いているみなさんですから」
RICO
「さて、それではまずここで一曲お届けします。
私たち『RICO×NAOYA』の新しいオリジナルソング。来月5日発売予定のナンバーです。
心を込めて作りました――『ブルーダイヤモンド』」
《♪楽曲イントロ~フェードアウト》
RICO
「お聞き頂きました『ブルーダイヤモンド』は、私の大切なある人から、実際に贈ってもらったブルーダイヤモンドをモチーフにした大切な曲なんです。ちなみに……ブルーダイヤモンドは『永遠の愛』という宝石言葉なんですが、直也さんはご存知でしたか?」
直也
「え?あっ……そーなんですね。うーん、なるほど。……しかし、そう考えると、女性への贈り物というのは、本当にいろいろ考えないとマズいですね」
RICO
「ふふっ。そんなの当たり前ですよ、直也さん。でももう贈ってしまった以上は、その責任を取る必要が出てきてしまいますから、直也さんも、そういう事がないように、充分注意してくださいね」
直也
「ははっ。注意します!」
RICO
「はい。それでは直也さんが反省されたところで、一旦CMを挟んでから、直也さんと一緒に楽しく進めていきたいと思います。
――『RICOのイブニングカフェ』、この番組は、五井物産株式会社、株式会社フェリシテ、株式会社五井不動産、そして日本GBC株式会社の提供でお送りします」
《CMジングル♪》
※※※
《――スタジオ外・控室スペース》
亜紀(腕組みジト目)
「……もうさ、絶対あのブルーダイヤモンドのチューカー贈ったの、直也くんってバレバレじゃない?もう保奈美ちゃんへのペンダントもそうだけど、何で不用意にそういう意味深なもの贈っちゃうんだろうね?」
玲奈(冷ややかに)
「ブルーダイヤモンド? 永遠の愛? ……もうこれ、リスナー全員に、今のやり取りでバレバレだと思うけど」
麻里(ため息まじりに吹き出す)
「ほんと、ああやってさらっと爆弾投下するから……。これ、この後のリスナーとのやり取りで、絶対このネタに関するツッコミが殺到しますよ。責任取る気あるんですかね、あの人」
亜紀(考え込んで)
「とりあえず、余計なやり取りが発生しないように、ある程度コントロールしましょう。放送事故にならないようにする当然の配慮でしょ」
玲奈(ため息)
「まぁそうですね。もう少しは自分の立場を考えて欲しいですよ」
麻里(頷きながら)
「仕方がない。ちょっとチェックしてみましょう。スタッフさん、ちょっと見せてください」
※※※
《――自宅・リビング(ラジオを聴いている保奈美)》
保奈美(リビングのテーブルで勉強中)
「……ちょ、ちょっと待って!あの時莉子さんに渡していた紙袋の中身って、ブルーダイヤモンドのチョーカーだったんだ……直也さん……もう!本当に!!」
※本編はカクヨムにも掲載しています。