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9月10日のEdinburgh  作者: edinburgh0910
灰燼のケルン編——融かされた『氷』

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第六話 ケルンに集う

 一行は一晩の船旅を経て、ドイツ帝国領ケルンに到着した。

 まだ互いの顔がやっとぼんやり見えるような明るさの中、レーとパトリックは安全な橋の下で支援部隊の配備場所を決めていた。


「レー殿、すぐに増援を送れるよう、やはりここは主戦場となる大聖堂のなるべく近くにこのパトリック隊を置くべきではないでしょうか?」


却下(きゃっか)……なんですね。『12使徒』の戦力は計り知れないところがあります。そのため安全な場所から監視と攻撃は行うべきです。」


 珍しく、真面目なレー。その様子にパトリックは感心していた。


(レー殿は普段はふざけた様子でいらっしゃるようですが、今はひどく真面目に見えます。不思議な人物ですね。)


「んー。パトリック、聞いていますか?」


「おっと、申し訳ございません。レー殿、少々考え事をしておりました。」


「んー。そうですか、気になる点があれば言ってくれればいいんですね。」


「いえ、そういう訳では……よし、この戦略ならば完璧です。部隊配置はこれで決定いたしましょう。」


「そうですね。これなら勝率は100%なんですね。」


 パトリックはこの言葉を聞き、先程の感心を忘れてしまった。


 そして戦場に選ばれる予定地のケルン大聖堂、大聖堂はドイツ帝国を代表する河川ライン川の川沿いに位置する。ライン川を挟んで見るケルン大聖堂はケルンの情緒(じょうちょ)豊かな町並みとともに人々へ、その荘厳(そうごん)な印象を与える。そこからはライン川を渡った直ぐ側に、パトリックは部隊を配備することにした。

 ———大河ライン川。それはドイツ帝国有数の巨大な河川であり、来たるべき決戦の日の夕方には血で色が塗り替えられ、三途の川よりも生々しく死を連想させることになる河。朝日が(きら)めいて大河に反射し、青くなり始めた空はこれからの激闘の幕開けを連想させる。


 それぞれの意思を胸に、こうして彼らは各々の配置につき、戦いの火蓋(ひぶた)は切られる。

 その『12使徒』オダストロとの決戦前にはさすがのリンも腰が引けている様子だった。レーもいつになく真剣な表情で、眼の前の大聖堂にいるであろう敵を想像して心の準備をしていた。

 リンとレーは大聖堂でオダストロと正面から打ち合わなければならないが、仲間への信頼が彼らの戦意を増幅させていた。

「ティームワーク」。それはラムラコフスキーが彼らに教えた金言、ラムラコフスキーはそれを最期の瞬間までもレーに語っていた。だからこそ、彼らの今の結束と、これからもたらされるであろう勝利はある。













 ———その静寂(せいじゃく)緊張(きんちょう)を破ったのは一人の男の言葉だった。



「やあ、そこの若い二人組さん、俺の聖堂に用があるのかい?」


 白髪混じりの髪。朝日のような赤橙色の瞳孔。そして、宝石の散りばめられた白色のローブ。それらの特徴を持つ、長身の男が二人の背後から穏やかな声をかけた。

開戦。長い長いケルンを巡った大決戦が幕開けます。



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― 新着の感想 ―
オダストロは12使徒の中でもかなりの実力者らしい。レー一行の命運は如何に
最後のレー完全に背後をとられてるじゃん 『12使徒』との最初の戦いになるのか?
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