第二話 ラムラコフスキーの目論見 前編
至聖神学校がレーの手によって破壊されたその翌朝、不思議なことにエジンバラ至聖神学校の破壊に関する報道はなく、レーの脳内は困惑で満たされていた。
(んー。奴ら至聖教の人間は……どうやら公にはしたくないみたいなんですね。)
レーの手には、神学校への謀反を起こした際にラムラコフスキー校長から渡された地図が握られていた。
(この地に向かえば、協力者がいるみたいなんですね。)
レーが向かった先は、ケンブリッジだった。
歴史ある町並みと空虚な空気、それを機敏に感じ取ったレー。
地図の印が示していたのは、のどかな農園のはずれにある寂れた廃教会だった。しかし、その建物の古さとは裏腹に、外には厳重な警備が敷かれていた。
レーが、その警備を力づくで突破するのは骨が折れるだろうと考えていると、警備長らしき男から声がかかった。
「その黒髪黒瞳の姿はここでは珍しい。ふむ……ラムラコフスキーという名には聞き覚えがあるよな?」
「んー。あるんですね。」
レーが肯定すると、男は納得した顔で頷き、態度を改めてこう言った。
「承知しました。ご案内いたします。」
———案内された先は、懺悔室であり、そこには1人の若い女が佇んでいた。
彼女はルビーを想起させる燃え盛るような赤髪で髪型は肩にかかるロングであり、澄んだライトブルーの目をしていた。
その特徴的な姿はレーの目には怪しく映った。
彼女は冷ややかな口調で訊いた。
「あんたは、誰?」
「んー。私は、ロケット・レーと申すんですね、言い換えるとつまり、私は、ロケット・レーという名前なんですね。」
考え込むような沈黙を挟んだあと、彼女はゆっくりと口を開いた。
「ふーん。私はリン。ということは、あんたがラムラコフスキー校長の言ってた『特別講師』ってやつか。」
するとリンは外にいる護衛たちを指し、彼らについて説明した。
「私を含む、ここに居る連中は、ラムラコフスキー校長が数年間かけて準備した戦力なのさ。
全員に、戦う理由がある。例えば私は2つ下の弟を教会に拉致された……でも、きっともう死んでいる。」
彼女はそのまま目に決意を宿したまま静かに続けた。
「さて、エジンバラ至聖神学校の『特別講師』でもあった、あんたの戦う理由は何なのさ?」
戦う理由を問われたレー。
廃教会にいる謎の女、リンの正体は何なのか。
ここから次第に主人公のことや、世界観を明かしていきます。
次話、「ラムラコフスキーの目論見」後編です。
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