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いつかの夢  作者: いわい
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崩れる

薄青い春の空。ビルの上に白く見える昼の月。

ふと立ち止まり見上げたとき、その輪郭が揺らいだ。

水面に映った月が、風で揺らぐように。

揺らぐ水面に魚が跳ねたかのように、その形がゆっくりと砕け始めた。

音もなく、閃光もなく。


ゆっくりに見えるのは距離のせい。

静かなのも距離のせい。

やがて音と衝撃がやって来るだろう。そしていずれは、砕けた月そのものが。


避けようもない破局までの、わずかな平穏の時間。

まだ空を見上げている人はいない。

2011.3.11 14:46。私は九州で車移動中でした。

ラジオから聞こえる混乱、いまだ聞いたことがないほど切迫したNHKアナウンサーの声。

けれど空は穏やかに晴れて、街も人もあまりにも普段通りで。


今だったら、きっと道行く人はみなスマホに釘付けで、あのどうしようもない焦燥感が少しは共有されていただろうと思うのですが、あの時は本当に耳と目から入る情報の乖離がとんでもなく大きかった。


この夢を見たのは震災よりだいぶ前だったのだけど、この時、じわじわと背筋を上って来る寒気と共に思い出したことをよく覚えています。

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