DRAGON BREAK 最終
……全て消えてしまった記憶。
それは戻ることはない、まるで呪いのようだ。これから先、ずっと苦しんで生きていくのだろう。
きっかけに出会って全て思い出すなんて夢物語は考えない方がいい。
ここは純粋で、残酷な世界。そうであれとされたものには他のルートは無く、決まった運命通りに動くものだ。
果たして、別の世界で生きる彼らはそんな夢物語を手にすることができるのだろうか。
あの牙の抜かれたドラゴンのそれはもう生え変わらない。中途半端で生きていくしかない。彼はこの先、後に残すことだけを考えて生きていく。
最強の種族と言われた『ドラゴン』の蛮勇さは失われてしまった。『ドラゴンソウル』の彼というものは壊れてしまって、もう動かないだろう。目を閉じたままだろう。
おやすみ、世界を守る1つの力。
おやすみ、世界を壊す1つの力。
私は、その物語を楽しむ。
早く来るといい。私のもとへ。お前の怒り、見てやろうではないか。どっちの世界にいるかは私の自由とさせてもらうが、私はお前に復讐し続けるだろう。
たとえ、お前の大事な親友を利用してでも……な。
──────────マグラ・オルテナ.
【DRAGON BREAK 完】