ハウゼンの嫉妬②
今回もハウゼンが主人公です。
俺が勝手に勘違いしてしまった出来事のあの後、ロサが直接あの筋肉男に乾燥させたヤツデの葉を、服用方法と合わせて差し入れに行ったという噂が流れた。
その頃から既に、ロサは王城のお姫様だった。
ロサは全く俺だけのものにならないが、ロサがお人好しで良かったこともある。
それは俺がロサを誰からも守れるくらいに強くなったことだった。
ヤツデの出来事の後、俺はロサを誰かに奪われそうになった時にロサを守るだけの力を持たないことに恐怖した。
体力はもちろんのこと、判断力や知力、さらには金や権力も、持ちうる全ての力を使ってロサを俺の手元に置いておこうと思った。
22才になり、少し早いかもしれないが父上には退位していただいた。
そうすればロサは王妃となり、簡単には俺から離れられなくなるからだ。
そして俺は現在26才。
ロサを囲いたいがロサの好きなこともやらせたい。
ロサは俺だけに笑いかけて欲しいが王妃として国民からも愛されて欲しい。
そんな葛藤を抱えながら今日もロサを市井に送り出したのだった。
さて、もう一回寝よう。
ロサは転移の魔法を使って必ず六時にはこの部屋に帰ってくる。
俺はそれに合わせて起きれば良い。
今日の結婚八周年パーティーのロサのドレス姿を想像するだけで良い夢を見られそうだ。
今回はロサの幼少のエピソードを書きました。
こういう「いい子ちゃん」が好きじゃない人もいると思いますが、ロサがいい子ちゃんなのは仕方ないです。
一人目のお母さんそうなるように育てたからです。
そういえば、そろそろロサの前世も書くつもりです。